トーア復元研究所へのご依頼は
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では届いたカナダグースのダウンジャンパーの傷の状態をよく見てみましょう。
まずは届いたご依頼品を開けてみます。
中には丁寧なお手紙も入っていました。
「お忙しい中、大変恐縮ではございますが・・・」とありますが、こういった事故品を直すのが仕事なので、全然恐縮して頂く必要はありません。
ご依頼主が傷部分にシールを貼って下さっています。
傷というよりは「スレたために黒い生地の中の白い部分が見えるようになった」のが原因のようです。 しかもこうなっているのは向かって左側の袖だけ(つまり右利きの人の右腕)なので、正直クリーニングが原因で、このように一部だけスレる、というのは考えにくいです。 恐らくお客さんが右利きの方で、何か特定の動きを右手だけするために、これらの位置がスレて中の白い部分が見えるようになったのではないかな?と思います。
ですがトーア復元研究所の仕事は「原因の追究」ではありません。 仮にご依頼主のクリーニング屋さんに「これ、きっとお客さんの着用の仕方が原因だから、お客さんに説明して納得してもらいなさいよ」などと言われてもご依頼主にとっては迷惑千万な話でしょう。
そしてトーア復元研究所の仕事は、いかにしてこの問題の状況を問題が無かった時の状態に戻すか、を考え、実現することです。
では明日からこのカナダグースダウンジャンパーの白い傷直しの工程をご紹介いたします。
(2022.5.12終了)