歯の再生医療 | 琵琶湖を愛する歯科医のBlog

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17年振りに滋賀県帰ってきました(^^)

最近、テレビで『完全な歯の再生に成功』とかゆうのを見たことがある人も居られるかと思います。

ずいぶん前から言われていたことではあるのですが、恐らくしっさいの臨床で使われるのはまだまだ先のことだと自分は思います。
去年、様々な病院を見学したのですが、何人かの先生方にその話を聞いてみたところ、しっかりとした返事は聞かれなかった気がします。
まぁ普通に考えてそうなんですけどね。
なんでか?

それは、細胞を無理に分化させて再生とかなんとかするので、正常な細胞は癌化する可能性が高いからです。
細胞にとって害のある刺激が加わると、細胞はおかしくなっちゃって癌化することはよくあるんです。
メジャーなのは紫外線による皮膚癌。
虫歯による舌癌(←舌に虫歯で尖ってきた歯が毎日当たり続け、舌にキズを付け続けるとなります)
タバコによる肺癌
肉ばっか食べてることによる大腸癌などなどです。

で、本題に戻りますが、細胞に何らかの刺激や誘導を与えて歯の形になれよ、と働きかけることによって歯の再生となるわけです。
そんな感じなもんで自分が去年の夏ぐらいに聞いたところによると、一生懸命再生させていた歯になる予定の細胞はかなりの率で癌化したということを聞きました。

『じゃあ、あなたなら再生医療で作られた歯を自分の口のなかに入れますか?』と尋ねられたら、自分は即答で断りますね。

なにしろ人が人の体のパーツを再生できるとは思えないし、現段階では絶対に無理です。
インプラントやら人工骨でさえ、ちょこっとの問題はあるもんです。無機質で、ですよ?
そんなこんななのに、生もの、しかも再生された歯を自分の体に埋める!?

もっての他です汗

自分の予想では世間一般に適用されるのは恐らく30年ぐらい後だと思います。(←カンのみです。理由無し。)
そんなことを期待するより、寝る前にしっかり歯を磨くほうが絶対に重要だと思います。

ちなみに、自分。まだ国家試験の結果すら発表待ちの学生ですから!! 残念パンダ