歩いていると
空の美しさに
ふと涙がでる
いかん いかんと
思ってしまう
1人で
運転中
桜を見つけて
ふと涙がでる
やっぱり
いかん いかんと
思ってしまう
この感情を味わいつくさないと
次にいけないことは分かっているけど
いかん いかんと
閉じてしまう心
感情を深く知り
自分自身を知ることに
怖さや抵抗は
ないのだけれど
いかん いかんと
なぜだか閉じてしまう
長男の卒業式は
やはり出席はできなかった
長男が学校側に許されたのは
式の終了後の学級活動のみだった
式が始まるくらいの時間に
自宅を出発した
私はセレモニースーツはやめた
長男は
用意していたカッターシャツとカーディガン
ハレの日のはずなのに
私は憂鬱だった
運転中、何度も涙が出そうになった
感激の涙なんかじゃない
社会への
絶望に近い悲しみ 苦しみ
式場についた
卒業式はもちろん終わっていた
セレモニースーツに身を包んだ
保護者の笑顔に
引きつった笑みしかできなかった
いつもの服装の私に
早く来れたらよかったのに
どうしたんと
心配をしてくれる友人たち
ちょっとね と
涙目でささやくような私を察してくれて
それからは何も言わず
いつも通りの会話で
受け入れてくれた
到着後30分くらいで
もう解散になった
長男は
みんなと最後だから
来てよかったと言った
うん
私はそのことばだけで十分
友達?ハ?
みたいな状態で入学した
トラブルもあった
ガラスも割った
そんな長男が
みんなと最後だからと
許可はでなかった卒業式に行った
友達に会いたいから
それは素晴らしいことだと思う
この3年で大きな成長だと思うよ
勇気もいったよね
私が同じ状況なら
行きたくても行けなかったと思う
3年間よく頑張ったね
卒業おめでとう
卒業式を拒否されるなんて
波瀾万丈のあなたらしい
そう思える私がいる
無理はしていない
それなのに
心を、涙を閉ざしてしまう
悲しさも悔しさも
羨ましさも絶望も
苦しさも無力感も
辛さも怒りも
すべて味わいつくして進みたいのに
あなたと向き合うことは
自分自身と向き合うことだと
改めて思い知らされる
今年も桜が咲いた
3年前新しいぶかぶかの制服で
あなたが写真を撮った
あの川原
今年は
次男が同じ場所で
ぶかぶかの制服で写真を撮ったよ
花びらがひらひら舞っていた
美しい桜だったよ
3年前を思い出して
また
ふと涙がでる
やっぱり
いかん いかんと
思ってしまったよ
人生には
自分にとって
必要なことしか起きないと
私は思うから
まだ閉ざしてしまったままの心にも
理由があるんだと
そう思って
あなたと次男の入学式を
迎える準備を
はじめよう