私は3歳から慢性腎炎に罹り、
18歳からは血液透析をしています。

治ることはない病気であると分かった子どもの頃は
正直絶望しましたし、

そして18歳の時に透析が必要になり、
これから先ずっと移植をしない限り
週3日通院しなければいけないとなった時にも
大きなショックを受けました。

今でも
「透析に行きたくないな…」
と思うことが正直多々あります。



そんな事を書くと、

「医療者に失礼ではないか」
「生かされているんだからそんなことを思うのはけしからん」

という声が飛んできそうですが、
それが正直な気持ちなので仕方ありません。

もちろん生きるためには透析をしなければいけないわけですが、
それだけでは私は精神的に耐えられないと思っています。

私が今大切にしたい生活は、
ピーペックの活動であり、家族との時間です。

趣味でも何でも何か自分が心から楽しいと思える
ことを持つことが本当に大切だと思っています。

少なくとも私はそうです。

もうすぐ透析と言われて落ち込んでいる方や、
透析が身体的というよりも精神的に辛い、
というご相談を受けることがあります。

その方々のお話しをうかがっていると、
24時間365日、透析のことばかり考えてしまい、
いつの間にか頭の中を透析に支配され、
「透析のために生きているような生活」になっていたりします。

透析は週3日、天気が悪かろうと何があろうと
通院しなければならず、そのような状況に陥りやすくなります。

「〇〇という生活を大切にしたい」
「〇〇をすることが生きがい」
「○○が楽しくて仕方がない」


といったことや存在を見つけることがとても大切です。

そして、
この○○を謳歌するためには、元気でいなければいけない。

だから治療や透析、自分の心身と向き合おう!
という思いになるのではないでしょうか。

もちろんそう簡単ではないかもしれませんが、
もし今これを読んで

「自分の趣味って何だろう?」
「自分が大切にしたい生活って何だろう?」


と思った方は、
少し時間をとって考えてみるのも良いのかも知れません。

あなたが治療・透析をしているのは、
決して生きるためだけではなく、
実は気が付いていない本当の目的がきっとあるはずだからです。


(2023年10月20日配信 じんラボメルマガ「所長通信」より一部改変)