うちの小学校の運動会は秋に開催される。
今年もなんとか天気が持ち、息子は小学校入学時から憧れていた種目を披露することができた。
親としては午前中で終わる運動会もやれやれというところだけど、子どもたちは帰宅後もまだ体力を持て余していた。
昼食後、夫はひとりで買い物に出かけてしまったので、小雨の降る中、散歩がてら子どもたちと私で公園に行った。
いつもは利用しない公園だけど、この日はなぜか息子が行きたいと言った公園に行くことにした。
そこは川沿いの遊歩道と工場に挟まれた遊具の少ない人気のない公園で、この日は小雨も降っていたためお散歩やジョギングをする人も、公園で遊ぶ子どもたちもいなかった。
公園の手前で身を寄せている20歳前後のカップルと、私たちだけだった。
子どもが遊具で遊んでいるのを近くのベンチで見守っていると、女の子の啜り泣く声が聞こえた。
話し声までは聞こえなかったけど、別れ話でもしてるのかな。。。そんなことを思いながら子どもたちを見ていると、今度は
「痛い!痛い!」という女の子の声。
入口の方にいるカップルを振り返ってみると、遠目からだけどプロレス技のようなものをかけられている。
んんん??と思っていると、泣いてるような、笑ってるようなどちらともつかない声が聞こえたので、カップルがじゃれてるだけか、と思った。
しばらく遊ばせていたら雨が若干強くなりそうな雰囲気の雲が出て来たので、そろそろ帰ろうか、と思っていた時だった。
女の子の泣き声が強くなり、痛いーー!!という声が聞こえた。
振り返ると、男の子が女の子の体を何度も強く蹴り上げていた。
私はその光景を見た瞬間、走っていた。
カップルのいる場所まで行き、
「何してんの!?大丈夫!?」と声をかけた。
チラッと見えた彼女はすごく美少女だったが、私の声かけには無視をした。
振り返った男の子は、真っ白ですごく整った顔をこちらに向け、
「大丈夫っす。
というか、俺らのことなんで。
話しかけないでください」
と小さな声で言うと、彼女の方を向いた。
それはそうだ。私は第三者だし、と我に返った。
「暴力だけはふるわないであげて。冷静にね」
と強めの口調で声をかけると、男の子は女の子を別の場所に連れて行った。
彼女はそれに従った。
雨が強くなってきた。
私は子どもたちのいるところまで戻り、急いで家まで戻った。
あまりにも一方的な(私からすると壮絶な)暴力だったので彼女のことが気になり、帰り道に警察に通報するか迷ったけど、子どもたちもいたし、
この件は結局通報していない。
彼女から「助けて」という信号は発信されないままだったから。
私の古くからの友人に、すごく情熱的な恋愛をする子がいた。
友人は気性の激しいタイプの子で、彼氏と頻繁に怒鳴り合い、殴り合いの喧嘩をしては、仲直りして関係を強めるという、周りから見ると捻じ曲がった恋愛観を持っていた。
でも私の友人は彼氏のことが大好きで、私たちの前では2人はとても仲良くうまくいっていた。
男女のことなので第三者が口を出すべきではないかもしれないけど、明らかに一方的な暴力、振り返った男の子の白い顔、冷静な口調、暴力に至るまでに怒鳴り声が聞こえなかったこと(普通は暴力に発展するまでにボルテージが上がって怒鳴り声が聞こえそうじゃない??)これらを思い返しても男の子の異常性にゾッとする。
私はこの日のことを夫に話してみた。
(ちなみに子どもたちは少し離れた場所にいたので、何話してたのー?ぐらいで終わった)
夫は、私をたしなめた。
「子どもも一緒にいるのに、ナイフを持っているかもしれない危険なやつのトラブルに首を突っ込むな!」
私「それは一理あるけど、あんな一方的に男から暴力を振るわれてる女の子がいるのに、見て見ぬ振りをするんだったら逆に軽蔑するわ」
夫「それなら隠れて通報すれば良いだけだろ」
確かに。。。私は考えるより先に体が動いてしまった。
かつ、結局通報はしないまま女の子がどうなったのかは分からない。
私がもっと冷静に(間に入るとしても)対応できていたら女の子は救えたのかな。
理由はともかく、女の子に手をあげるなんて言語道断だけども。
結局夫とは意見が食い違ったまま、女の子の無事を祈るばかり。
私×息子×特定の場所(特に公園)は、なぜかよくトラブルに遭うことが、不思議でならない。
おしまい。