梅雨だ 鬱ゆだ。
檀露「まくら、臭いのかい？
はにっこん「そうなんだ。臭いの。まくら臭いの。
檀露「どれくらい臭いの？教えて、ねぇ～ど・れ・く・ら・い
はにっこん「ふあーふ、ふあわわわいい匂い～ふあふあわーええ香りやわーー
天使「喝ーー‼
はにっこん「は！？ああ、、、梅雨の幻か
湿気が魅せた、ひと時のユメマボロシ。
いわんば、梅雨とはなんとぞ。ばってん気象庁に独自取材としりたりばちあそばしもうせ。あそばしもうせ。
はにっこん「こんにちは。ひとつ質問が二、三あるんですが、梅雨とはどの様なことなのでしょうか？
気象庁官「お答えしましょう。梅雨とは夏が始まる前に、南から湿った空気が梅雨前線となり、、というのは、世間一般の見解と認識です。いわゆる一般論ですが、本当は違うんです。
、、、今日の深夜またここに来てください、、真実をお見せしましょう。
はにっこん「ったく、気象庁官の野郎、深夜に呼び出しなんて、お肌に悪い事この上ないだろ
ターンオーバーを知らないのか、野郎は。おい！来たぞ
気象庁官「来ましたね。ちょうどいい所です。あれを見てください
はにっこん「なんだ、人がなんかやってるな。手に霧吹き持って、空中に霧吹きかけてるぞ。あいつ何だ？
気象庁官「枕業者ですよ。この時期になると、日本じゅうの枕業者が、深夜に霧吹き持って、一斉に霧吹きかけるんです。そうする事で、日本じゅうを湿気だらけにして、まくらを臭くさせ、まくらを買い換えるよう仕向けるんですよ。まくら業者の気候をも変える、まくらを売るという執念と狂気。それが梅雨の正体です
はにっこん「なんてこったい。人間の仕業だったとは、、、おいあんた！そこまでして枕を売りたいのか？
枕業者「そうですよ！我々枕業者は、より良い枕の開発に余念がありません！皆さんに、良いまくらを提供できるのなら、手段を選んではいられません！まくらを臭くするしか、方法がないんですよ！！こうすれば、まくらを臭くさせることが出来るんです！こうすれば！シュッシュッ！こうすれば！シュッシュッ、シュッシュッ！
はにっこん「違う！！お前らは、なんにも分かっちゃいない！まくらが臭い？当然だ！
俺達が寝ている間、まくらは働いているんだからな！俺達が８時間寝ている間は、奴は８時間働いているんだからな！
人間の体で一番重い頭をだ。８時間も支え続けるなんて、重労働だ。それを年中無休で休みも取れずにやってたら、汗臭くもなるだろ。
そうだよ。あの臭いは、まくらの汗の臭いだ。まくらが労働してかいた汗の臭いだ。
臭くて当然、負けて当然だ
将棋は、駒を動かす前の、あの型が最も強い鉄壁の型だという
だから、駒を動かしたら負けて当然なんだとよ
それと通づるものがある
まくらは新品が最もいい状態だろ？
頭を乗せた時点で、臭くて当然なんだよ
だから俺は臭くても臭いまくらを使い続ける。俺が働いている時は、奴が休み、俺が寝ている間、奴が働いている。なんだか夢、みたいじゃないか？
実際に奴の上で夢を見ている
奴と共に見た夢の数だけ、奴は臭くなるのさ。
あんたも枕業者の端くれなら、初めて自分でまくらを買った時の気持ち、忘れないようにな。そいじゃ
枕業者「え？はじ、、え？あ、はぁ、、、
はにっこん「まだ朝まで時間があるな。寝るか
いいまくらの条件とは。高さ、硬さ、形。
人により様々でしょう その人に合ったまくらがあるでしょう。
ただひとつ、共通する部分があるとしたら
まくらは人と夢とを繋ぐ架け橋、ではないでしょうか
弱点無い奴選んじゃうなー
弱点突かれると死に直結しがちだし