[見所]
「悲情城市」や「珈琲時光」のホウ・シャオシェン監督作品。
8世紀末の唐朝、辺縁部の守りとしておかれた節度使が支配する魏博。魏博は暴君田李安が支配しており、絶対的権力を持っていた。将軍聶鋒の娘聶隠娘(スー・チー)は、田李安の許婚だったが破談となり、いまでは暗殺者となっていた。
女は師である道士より田李安の暗殺を命じられる。
原題:刺客聶隱娘 英題:The Assasin 日本版Blu-ray
台湾・中国・香港・フランス映画 105分(台湾劇場公開:2015.8.28)
邦題:黒衣の刺客(日本劇場公開:2015.9.12)
ジャンル:アクション、ドラマ、歴史
監督:ホウ・シャオシェン(侯孝賢)
脚本:ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、チュー・ティエンウェン(朱天文)
原作:裴鉶「聶隱娘」
製作:リャオ・チンソン(廖慶松)
撮影:リー・ピンビン(李屏宾)
編集:リャオ・チンソン(廖慶松)
音楽:リン・チャン(林強)
[出演]
スー・チー(舒淇):聶隠娘(ニエ・インニャン)、暗殺者、聶鋒の娘
チャン・チェン(張震):田季安(ティエン・ジィアン)、魏博節度使
チョウ・ユン(周韻):田元氏(ティエン・ユェンシ)、田季安の正妻
妻夫木聡:日本人留学生(鏡磨きの青年)
シュー・ファンイー(許芳宜):嘉誠(ジャーチャン)公主/嘉信(ジャーシン)
ニー・ダーホン(倪大紅):聶鋒(ニエ・フォン)、隠娘の父親、魏博の将軍
ニッキー・シェ(謝欣穎):瑚姫(フージィ)、田季安の妾
イーサン・ルアン(阮經天):夏靖(シャアジン)、田李安の護衛
ヨン・メイ(詠梅):聶田氏(ニエ・テェンシ)、隠娘の母親
[ストーリー]
時代は唐の末期、辺縁の守りの為に置かれた節度使が力を持つようになり、唐王朝をも脅かす存在になっていた。その一つ、魏博は暴君として知られた田李安が支配していた。彼には本妻田元氏と3人の子供がいた。
田李安の武官の一人聶鋒には娘隠娘がおり、娘は幼いときに田李安の許婚となっていた。しかし、田李安は元氏と政略結婚をしてしまう。隠娘は田李安の家に忍び込んで一騒動を起こした挙げ句、父親によって道士の嘉信に預けられる。
隠娘は暗殺者として育てられる。彼女は一流の腕を持つが、ある時、情を捨てきれず、暗殺を中断してしまう。隠娘は実家に返されるが、そのときに嘉信に田季安の暗殺を命じられる。
[感想]
ホウ・シャオシェンらしく、単純にストーリーを展開していくというものではない。自然美をバックにエピソードが描かれるが、極端に無駄をそぎ落としており、文字やモノローグによる説明はなく、つなぎシーンもなく、ラストシーンまでは音楽さえない。
このため、かなり判りにくくなっている。事前に登場人物の背景くらい調べていかないと頭が混乱する。しかし、事前に知識を入れて映画を見るというのはホウ・シャオシェンの意図には反することだろう。
[補足]
日本人留学生として妻夫木聡が登場する。彼は聶鋒が暗殺されようとしている場面に登場し、彼を助ける。日本人ということが大きな意味がありそうなのだが・・・
[お勧め]
歴史物としては中途半端。アクション・サスペンスとしてはストーリーが良くわからず、話に入り込めない。何度も何度も見れば、意味がわかる作品なのだろう。
日本語版予告編: https://www.youtube.com/watch?v=hYUxbm5wt9A
[ソフト]
日本版Blu-ray
中国語音声、日本語字幕
画質・音質とも良い