水曜日、

かなり埋まった劇場。

 

黒い画面のエンドロールが静かに終わり

人々は出口に向かう。

重い空気をまといながら

ことばを発するのをためらうように。

 

重い話なのは

観る前から分かってた。

吾郎ちゃんの作品でなかったら、

避けるタイプの映画。

 

でも、観た。

 

見た限りは

想いをつづりたいと思います。

(うまくまとまるかなぁ悲しい

 

 

***以下完全ネタバレなのでご注意くださいませ***

 

主人公は杏(あん)。

タイトルも「あんのこと」。

 

そう「杏」のこと(お話し)なのだけど、

ワタシの心に深く訴えてくるのは、

杏の母親、

 

そして

子どもを抱いて廊下を去っていく

お隣のママの逆光の後ろ姿です。

 

 

杏の母親はひどい毒親。

 

実話が元になってるということだけど、

本当にこんな母親がいるの?

想像できない。

 

そして、

ひどい毒親なのに、

娘を「ママ」と呼びます。

 

なにそれ???

 

「ママ~~~!」

そう杏に向かって叫び、

殴る、蹴る。

 

あんたはママなんだから、

私に尽くせと、

私を養うために売春に行けと

追い詰めます。

 

 

そんな杏が

ゴミ屋敷で同居してるのは

母と祖母。

 

確信はないけど、

おばあちゃんはお母さんの母親のよう。

 

このおばあちゃんは、

どんな母親だったの?

 

 

杏の母親も

いきなり母親になったわけではなく、

 

子どもの時があり、

思春期を経て大人になり、

 

いや、

大人になる前に杏を産んだのかもしれないけれど、

 

一人で勝手に「親」になったわけじゃない。

 

 

我が子を「ママ」と呼んで

心身ともに搾取・依存する母親を生み出したのは…

 

「杏のこと」は単独で存在するわけではなく、

「杏の親のこと」から

さらに言うなら、

そのもっともっと前から

連綿と続いてるのかもしれません。

 

もちろん「親」は、母親だけでなく、

父親も含みます。

 

当然、

個人の問題ではなく

社会の課題だと突き付けられます。

 

 

ラストシーン、

早見あかりさん演じる三隅紗良が

はやと君(あってる?)を抱いて歩いていきます。

 

前を向いてまっすぐに。

 

でも

後ろ姿だから表情はわからない。

 

ワタシは

笑顔であることを祈って、

見つめるのみ…。

 

 

 

どんぐりころころのことも書きたかったのですが、

長くなっちゃいました。

というかずいぶん時間がかかりました。遅筆だ泣

続きはあたらめて書きますね。

 

とにかく観てください!!!