皆さま
ようやく強盗の目を盗んで
土曜日の夜にこんばんは
今年は
『特別な夏』であると
百合子様は仰いましたが
十日の日に母の初盆供養を行った以外は
ほぼ仕事だった我が家に限って申すなら
『普通の夏』にございました
しかしながら
考えようによっては
大変有り難い話であると
気づかされた今日この頃、、、
にしても
まだまだ脳みそ吹っ飛びそうなほど
暑い!!!
皆さまも熱中症にならぬよう
どうかくれぐれも
お気をつけくださいませね
では本日の本文へとまいります
*・゜゚・*:.。..。.:*・'. .。.:*・゜゚・*
本日は
先頃お亡くなりになった俳優さんへ
供養を込めてのお話になります
先ずはおフランスの名優、ミシェル・ピコリ翁
source imdb
(1925.12.27ー2020.5.12)
1954年の映画デビューから
2012年公開の遺作までの58年間
150本以上の作品に出演してこられ
大作では大作らしい毅然とした振る舞いを、
またアート系では小煩い監督を包み込むよう
演じてこられた、おフランス映画界のエスプリ的存在
翁のフィルモグラフィーの中から
お気に入りは、『五月のミル』(1990年)です
準主役ポジが多かった翁が主役の今作
舞台は『五月革命』たけなわのフランス
亡き母の遺産を争う家族のお話で
そこにルイ・マル監督らしく
場をさらっていく子役を登場させ
それを翁がしっかりと受け止めてetc、etc、、、
いろんな意味において
おフランス人気質を紐解く
そういった作品に仕上がっております
また画像に写る
翁の自転車が素敵でしてねぇ♪( ´θ`)ノ
欲しいと思った自転車は
翁が乗っていたこの白い自転車と
古畑任三郎が乗っていた『シルエット・セリーヌ』のみ
あ、因みにわたしの
御幼少のみぎりの愛車は
♬ツンツンツノダのTU(テーユー)号♬
だったことを、ここに書き記しておきましょう
↑知らない子はパパかママ、
それでもわからなければジーチャンか
バーチャンに聞いてね☆〜(ゝ。∂)
もう一本は以前ご紹介した『恋の病』(1987年)
ここでのミシェル翁は
ナスキンさん扮する若い妻を
ジャン・ユーグ扮する弟子に
寝取られる医師役で、嫉妬の仕方が
とっても嫌らしくって
でも、映画の終盤での翁には泣かされます
一度は取り戻した妻を
再び弟子へと託したのは
ひとえに妻への愛なわけで
老醜を哀愁へと昇華させ
若い主役二人に花を持たせた
まさしくヴェテランの味わいでした
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
デイム オリヴィア・デ・ハヴィランド
(1916.7.1ー2020.7.25)
イギリス人ですが
東京は港区生まれのデイムオリヴィアは
言わずと知れた『風と共に去りぬ』のメラニーです
避けて通ればバチが当たる『風と共に去りぬ』
(1937年)
エゴイズム溢れるスカーレット・オハラですら
『アンタにゃ敵わん』と言ったかどうかは別として
愛する人を信じ抜く、そのブレなさ加減は誠に天晴れ
でした
デイムは沢山の映画に出演なさっておりますが
中でも『不意打ち』(1964年)は隠れた逸作だと
思います
こちらでのデイムの役は資産家の寡婦
腰を痛め、歩行が困難となり二階へは
鳥籠みたいな昇降機で行き来しているのですが
停電によりその昇降機の中に閉じ込められしまった
ばかりか、そんな時に運悪く強盗が押し入ってきて
さぁ、どうするどうなるといったお話です
籠から出てはいいが這いずり回るしかなく
スター女優さんだけど汚れ役も厭わないという
その姿勢には
ただただ役者根性言うのんを感じました
何せ104歳というご長寿で
いらっしゃいましたから、それだけでも天晴れ
メラニーの分まで
しっかりと天寿を全うされました
*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
そして渡哲也氏です
『あゝ ひめゆりの塔』(1968年)で
若かりし頃の渡氏をお見かけした翌日に
氏の訃報が届きました
我々の世代は映画人としてより
『西部警察』の大門団長が記憶に残っており
日本でありながら所構わずライフルをぶっ放すわ
火薬の量も厭わず爆破させるわと
甚だしい荒唐無稽さにも構わずへっちゃらぴー
男祭りだワッショイ的なノリには正直
ついていけませなんだが、その前の『大都会』の
第一シリーズに関しては、全回観たと記憶しています
こちらでの渡氏も刑事役でした
昔逮捕した男が逆恨みし
報復として仁科明子さん演じる妹をレイプし
兄である渡氏が罪の意識に苛まれ続けるという
非常に人間臭いドラマでした
後に脚本は倉本聡氏と知り、おおぅっと納得
しかしこちらの視聴率は振るわず、
次シリーズからはアクションに重点を
置くようになったんですよね
つまり、
そちらの方を観客は望んだという、
そういうことだったんでしょう
スターとしての
固定イメージを守り通し
かつまたプロダクション社長として
実務にもあたられてと
察してあまりある重責、、、
角刈りグラサンの渡氏って
好みの男性のタイプではなかったんですが
晩年の吉永小百合さんと共演された
『時雨の記』(1998年)や
『長崎ぶらぶら節』(2000年)における
渡氏は、それはそれは素敵でした。
こっちの哲也さんなら
お嫁さんになってあげてもいいよぉ〜
、、、
といった戯言はさておきましてと
こうなってはじめてという
キャプションつきではあるけれど
肩の荷を全て下ろされた今、
氏はやっとほっとひと息つかれているのでは
ないでしょうか
彼方には裕次郎さんや恒彦さんが
口角を上げて待っていらっしゃるはずですから
これからは何も気にせずお過ごしください
*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
最後は、
一昨日新聞の片隅で
目にした訃報の主、Mr.ベン・クロス
そこからずっと
ヴァンゲリスによる
『炎のランナー』のテーマ曲が
頭の中を静かに駆け巡っております
スローモーションであるにも関わらずの
あの疾走感を、どう表現すれば良いのだろう?
鑑賞する際はいつだって
居住まいを正して観る、、、
わたしにとって『炎のランナー』は
そういう映画です
そしてそれはとりも直さず
Mr.ベン・クロスが演じたユダヤ人ハロルドをはじめ
陸上競技に青春をかけた学生たちへの敬意、であります
*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
長きに渡り
様々な作品でわたしたちを楽しませ
人生に彩りを与えてくださった
ミシェル・ピコリ翁
デイムオリヴィア・デ・ハヴィランド
渡哲也氏、そしてMr.ベン・クロス
もう生のお姿を
見ることは叶いませんが
あの日あの時の皆様のお姿は
ずっとわたしの目に焼きついております
忘れることなど
きっとないと思います
忘れてたまるもんですか!
とも思います
とても
寂しいですけれどもね
今まで本当に
ありがとうございました
どうぞゆっくりと
お休みくださいませ