皆さま



曇天の水曜日にこんにちは






今日はね

イレギュラーついでに

漫画の話をさせて頂きます

『空の色ににている』っていう単行本なんですけれど


主人公は15歳の高校一年生、
天川蒼生人てがわたみと


蒼生人が本を返却するたびに、
図書委員がうっすら笑いを浮かべるものだから
気になってしょうがないのだが、


やがて、

自分が借りた本の貸し出しカードの真上に
毎度、野々宮浅葱という生徒の名があることに気づく

そう、、、
あのうっすら笑いの図書委員こそ
野々宮浅葱だったのだ

そしてあの笑いは
蒼生人より先にそれに気付いているわよっ
ていう、そういう笑いだったのだ

もう既に彼女に惹かれていた蒼生人


同じ本ばかり
借りたことから始まった二人の交流

しかし浅葱の心の中には高校の先輩で
画家を目指す冬城が存在していた、、、


*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

今作は昭和55年、集英社発行の
少女漫画誌『ブーケ』に連載されておりました

ですから40年も前の作品となりますが
未だに手元に置いているくらい
わたしにとっては特別な一作です

もう絵がノーブル過ぎまして


さらにネームも秀逸で
当時も、そして今も、わたしの心に
響き続けています

浅葱を想う蒼生人
いつだって、何処にいたって
浅葱の姿だけにフォーカスすることが出来るのです


それって恋する者なら誰だってそう、、、

そしてその時の高揚感もね

蒼生人に想いを寄せる女子の
日本語の美しさったらどうでせうか?


あなたに親しくしていらっしゃる方が
おられるの知ってますって、高一にして
この言葉遣いは誠に天晴れじゃあありませぬか

蒼生人にしても
陸上部に所属しながら読書も好きと言うね

そういえば高校で
わたしの隣席だったO田君も
バスケのことしか頭にない
楽しい幼稚園みたいな顔してたけど

休憩時間にわたしが
柴田翔さんの『されどわれらが日々』を
読んでいたら

『ソレ、ラストに向けてがいいよね』
って声かけてきて、O田くんアンタ、見事なまでの
爪の隠し方ねって、わたしゃびっくりこきましたのさっ

だからわたしたちが学生の頃って
誰しもが、多かれ少なかれ
書物やら色んなものから言葉遣いやら
知識やら、なんやらかんやらを意識して
吸収していたんだと思う

なんでも『ヤバイッ』で間に合わせる
イマドキのぼっちゃんじょーちゃんに
わっかるっかなぁ〜、わっかんないだろなぁ〜〜

お願いだからヤバイの連打はヤメテ

おばちゃんがっくりくるからさ

、、、

で、この『空の色ににている』中
特に印象に残ったシーンが二点あって

一点目は浅葱蒼生人に語る、
欠けた○の挿入話

欠けた○の名前は『ぼく』

欠けた部分を補う△を探す旅に出て
自分にぴったりの△が見つかって
そしてどーなったかっていう、、、
こちらはシェル・シルヴァスタイン原作の
『ぼくを探しに』という絵本の話なんです

続編の『ビックオーとの出会い』もね。

実家にあるかしら?

もう一点は
蒼生人はチィという名の猫を飼っていて
チィはもうおばあちゃん猫で、最近は
寝てばかりなんです

それなのにある日、
学校へ行こうとする蒼生人の後をついてきて

それが蒼生人がチィを見た、最後でした

全猫がそうかどうかはわかりませんが
猫が姿を消す=死ってことを
このエピソードで初めて知ったわたし、、、

でね、
蒼生人が『チィ、元気か?』って
独りごちながらランニングするシーンがあって


わたしも代々飼ってきた犬が居なくなると
『〇〇、元気?』って、そう呟くことがあって

今なら『毛皮さん、元気? 元気でやってる?』ってね


1日たりとも忘れたことはないから、、、

だから蒼生人の思考や行動パターンが
わたしとにている気がして、そこがこの一作が
今も特別な地位にいる理由だと思います




蒼生人のお兄さんの七星
大学の一年生なのに着流し姿って (*´ー`*)


七星蒼生人の関係は、例えるなら
浅見光彦さんと刑事局長のお兄さんみたいな
関係、、、そう言えば分かっていただけるだろうか?

作者の内田善美さんは
『りぼん』で作品を描いておられた当初から
画才は抜きん出ておりました

と、言いますか

少女漫画の枠に
収まりきるお方では
なかったんだと思います

気付いた頃には一線を退かれ

それ以来ずっと実家に
蟄居しておられたそうですが
今では連絡も取れなくなったと
松苗明美先生 談)


『漫画で芸術をやると描けなくなる』
(Wikipediaより)


おそらくこの一文が全てではないかと、、、。


こちらは内田先生、最後の単行本

『星の時計のLiddell』


全3巻



本当は『私が初めて押すマンガのキャラ』に
『星の時計のLiddell』から、三巻の表紙を飾った
ウラジミール氏を選ぼうかと思ったんですが




ブログじゃなくて


レポートになりそうだから断念した



要は文才がないってことです、はい。









 チィちゃん、、、