おはようございますo(^_^)o
今日ご紹介する映画は

『旅情』(1955年)
   原題      Summer  Time

監督  デヴィッド・リーン
出演  キャサリン・ヘプバーン
         ロッサノ・ブラッツィ

この先ネタバレあります

【ストーリー】

アラフォーの独身アメリカ女性
ジェーン(キャサリン・ヘプバーン)
は憧れのヴェネチアへとやってくる
最新型の16ミリキャメラ片手に
ヴェネチアの街を闊歩する彼女の
ウキウキぶりったら、、、
そりゃもうよく分かる

そうやって一人旅を満喫するも
新婚カップルや
仲の良い老夫婦の姿を
見るにつけ寂しさが募ってきて、、
それもまたね、よく分かる

ある日
サンマルコ広場でお茶するジェーンを
じっと見つめる男性が一人
ジェーンはその視線にドギマギし
逃げ出してしまう

仕事はこなしてきた
でも恋となると
不器用で自意識過剰
自意識というものは厄介ですな

『あらやだ、わたしを見ているの?
          違うの?  どっち?
   でも、やっぱりわたしのこと?』

一つ読み間違えると大恥かくわけで
それって大人の女には辛いことよ

ましてや、
恋愛経験値の低いジェーンには
見極めることは難しくて
逃げ出したくなるのも
痛いほどよく分かる

言い忘れたけれど
レナートはイタリア人ね
何をか言わんや、、、

そして、それから何度か
偶然、または必然的に顔を合わせ
二人は初めてのデートをすることに

キャリアウーマンらしく機能的な
ファッションだったジェーンが
レナートとのデートのために精一杯
おめかしする

この女心、、笑うことが出来ますか?
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ヴェネチアンマジックにかかった
ジェーン
いつの間にかレナートに恋心を
抱くようになります


しかしですね、
レナートには妻子がいるのですよ

レナートは言います
妻とは別居中だ
この際それは脇においとこう
男と女が愛し合うことに理屈なんて
要らないんだよ  
モナムール←フランス語やった

このセリフ
今もどこかで誰かが、、、ね

(妻帯の)事実を知ったジェーン
逡巡するもレナートを受け入れ
二人だけの時を過ごすのです
この時が長い間一人で生きてきた
ジェーンにとって、
一番ハッピーな時だったのでしょう

でもね、これは不倫の恋
ジェーンには続けることは出来ない

これ以上
レナートを愛してしまうまえに
アメリカへ帰ろう、、、

彼女の心に鍵がかかる
『良識』という名の鍵が、、、


そしてヴェネツィアを去る日

見送りを約束したレナート
発車の時間が迫っても彼は来ない

どうせ気障なイタリア男の世迷言よ

自分に言い聞かせるジェーンの元へ

くちなしの花を握りしめ
必死の形相で走ってくる
レナートの姿が見えました!!

くちなしの花は初めてのデートで
ジェーンが運河へ流してしまった花

そのくちなしの花を
ジェーンに渡したくて
でも、渡せなくて、、、
これが二人の別れ、、、


締まらないラストシーン

けれど忘れらない名ラストシーン

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監督、脚本、役者、この三拍子が
揃った時に名作が誕生すると聞いた
ことがあるけれど
まさしく本作がそうなのかなと

水の都、ヴェネチアをバックに
16ミリキャメラ
赤いヴェネチアングラス
ジェーンの手には一度も入らなかった
くちなしの花
そういったアイテムでもって
ジェーンの移り行く心模様を丁寧に
描いています


また、何と言っても主役の
キャサリン・ヘプバーン  1907~2003
がいてこその『旅情』

わたしにとって、ヘプバーンと言えば
オードリーよりもキャサリン!
一時期キャサリンに憧れたものです

私生活においては
この映画とは反対の道を選んだ彼女

でも、それはまた別の話



彼女が没して11年、、、
キャサリン・ヘプバーンスタイルを
貫きとおした比類なき女優さんだった
と思います





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             くちなしの花

                 花言葉は






       『わたしは幸せ者です』