輪島市門前の総持寺を拝観したあとは、海沿いの道を経由して七尾に向かうことにした。
海沿いの黒島町は、伝統的建造物の保存地区で、北前船で栄えた集落。
正しく表現すると、干上がっているのではなくて、海岸が隆起したことで、港の海底が露出している状態。
海側から海岸道路沿いの堤防を見ると、堤防の真下に波消ブロックがあるので、本来はそこまで海があったはず。
ネットで探した震災前の海岸の様子↓。
自分は輪島港は見ていないが、ニュースでは隆起によって漁港として使えない状態で、数年かけて浚渫(しゅんせつ)工事をして復旧する方針らしい。
こちらの黒島漁港は見た感じかなり小規模だから、ずっと後回しか手を付けないか、そうなりそうな感じがする。
メインの輪島港でさえ、半年経ってやっと方針が出たぐらいだから。
遅いけど進んではいる、でも遅い。
帰りに立ち寄った七尾の和倉温泉総湯。
3月末から営業再開していて、その直後の4月に初めて行った時には、露天風呂は使えず、床の石材が地震で割れたか歪んだかしたものが1ヶ所に積み上げてある状態だった。
5月末に行った時には、その積んだ床材は無くなり、かなりキレイになっていて、給湯に問題がなければ、6月中旬には復旧しそうに見えた。
そして、今回1ヶ月振りに訪れると、露天風呂が使えるようになっていた。
県内業者が少ないのに案件は山ほどあるから、工事の進捗が遅くなるのは当たり前。そこを何とかしようと思ったら、近隣の県は当然、もっと広域で協力しないと解決しない。
県の力でどうにもならないなら、国が積極的に乗り出す場面だと思うが、あまり動いているようには見えない。
復興タスクフォースというのを立ち上げて、現地に省庁横断で150人規模を常駐させて支援するということだが、その発足が7月1日だった。
半年経って発足って?!
なかなかボランティア活動の話にたどり着かない(笑)。
全部端折って、翌日朝6:15、石川県庁前でバスに乗って、能登町のブルーベリー農園に向かった。
能登町の東部、ほとんど珠洲市に近いところで、5月末に見附島(軍艦島)を見に行った時に通った半島縦断道路から脇道に入っていった丘陵帯に農園はあった。
作業は2種類の剪定。
1つは、全体に被るように張ってある防鳥ネットを、突き抜けるように伸びていく新芽をカットすること。
もう1つは、ブルーベリー狩りに来たお客さんが、木の間を歩きやすいように、木の列から横に張り出した不要な枝をカットすること。
雨の中より相当ましではあるし、曇り空で農作業日和だったが、当然蒸し暑いので1時間に1回休憩を入れながら作業。
50分作業+10分休憩、を9名で4セットやって、今回任されたエリアの剪定はほぼ終わったみたい。
昼休憩時にオーナーさんから説明があって、「各自昼食を摂ったら、収穫できる5箇所のエリアで、自由にブルーベリー狩りをしてください。」と、プラスチックパックを2個渡された。
うれしー! お土産にブルーベリーを買えたりしないかな?と思ってはいたが、まさか収穫体験できるお土産付きとは!
昼休憩後の最後の1セットを作業して、14時に終了。
(早い終わりと思うが、バス運転手の労働時間問題があるので、17時に金沢に戻るにはこの時間で切り上げないと間に合わない。)
ボランティアは基本無報酬という意識があるので、お土産つきは意外だった。
農家さんからしたら、手間の掛かる作業を頼んで、売るほどある作物を少しおすそ分けするぐらい、なんてこと無いのかもしれないが、
消費者からすると、ブルーベリーなんて1パック3〜5百円ぐらいする高いフルーツってイメージなので、味見と持ち帰り合わせて、過去1年分以上(笑)のブルーベリーを食べられて感謝感謝!
プレーンヨーグルトに牛乳と砂糖少々を混ぜて、ブルーベリーを投入して凍らせると、サッパリした夏向きのジェラートみたいになって美味しかった。