乃木坂46の3期生エース山下美月ちゃん(以下、ヤマ)が、昨日の東京ドーム卒業コンサートをもって、アイドルを卒業しました。
在籍7年と8ヶ月、最近卒業した1期生のレジェンドメンバー(秋元真夏や齋藤飛鳥は10年超)に比べれば短い気もするが、1期生には結成直後の下積み的な期間があったのと違って、3期生は加入した時点でトップアイドルグループの一員として活動が始まっているから、中身の濃さは勝るとも劣らないはず。
幸運にも卒コン初日のチケットをゲットできたので、例のごとく弾丸遠征。
器用に手を抜くことができないから、ドラマ出演が重なって頑張りすぎて、体調を崩して乃木坂の活動を休業した期間もあった。
いつしかファンから『山下プロ』というあだ名を付けられるぐらい、プロのアイドルとして振る舞い続けた7年8ヶ月。
その集大成となる2日間の東京ドーム。
初日は、卒業という言葉を忘れてしまうような、ヤマ渾身の企画ラッシュ。
最近は聴く機会の少ない初期の曲も聞けたし、1期生が中心だった時代に何組かできた軍団(自主結成ユニットのようなもので、後から事務所公認で楽曲も制作された)を再結成したり、山下企画・演出・作詞の『恋山病』(1期生の高山一実がファンにために作る生誕Tシャツに『高山病』とプリントしたことのオマージュじゃないか?)というこの日限りの新曲が披露されたりと、
ただでさえ卒業前であれこれ忙しいのに、選曲も企画も衣装デザインも全部に意見を出して、ここでも手を抜けない真面目山下が出てきちゃう。
確か1週間前くらいに、ファッション系の配信の仕事を体調不良で休んでいたから、このライブも根詰めて準備してほぼ全編出っぱなしで、倒れちゃわないか心配しながらの3時間ではあった。
深夜ドライブで名古屋に帰って、翌日のDay2を自宅でテレビにスマホをつないで配信視聴。
幕開けが3期生のデビュー曲『3番目の風』ということで、いきなり涙腺が緩む準備ができてしまった。
その後、山下美月と同じ、名前に月が入っている(向井)葉月と(菅原)咲月の3人で『満月が消えた』をやってから、メンバーを変えて『月』入りの曲を連続で3曲。
今までそんな切り口は無かったから新鮮。
少人数ユニットの曲を集めたパートも相当エモかった。
飛鳥・山下・梅澤の3人が主演した『映像研には手を出すな!』のテーマ曲を、飛鳥ちゃんが抜けた2人だけでやったということは、ヤマが抜けたら、ウメ独りでやるってことはないから、オリメン披露はこれで見納めか、という予感をさせたし、
メンバー内で一番の親友という同期の伊藤理々杏と、ポケモンのopテーマ『1・2・3』(元々は1期生の生田と松村のユニットがカバーしていた)をやったのも、二人の仲がよく判る選曲。
そして、3期生で唯一卒業している大園桃子を含む4人ユニットの『言霊砲』を、大園以外の3人だけでやったのは、3期生は誰が卒業したとしても加入した時の12人全員で3期生だ、というメッセージにも見えた。
そしてこのユニットパートの最後に、お互いがメンバー内の推しと公言する4期生の賀喜遥香ちゃんと二人だけで『無口なライオン』を披露。
元々この曲のMVは、親の転勤で高校を転校することになった主人公(西野七瀬)が、クラスメイトの1人(若月佑美)に転校のことを言い出せないまま別れてしまう、という切ない別れが描かれていて、そこにこの二人の関係を重ね合わせているような選曲。
選曲と人選だけでも泣けるのに、更に、各曲毎に参加メンバーがヤマへのメッセージを伝える時間を取っていて、その内容にも泣かされた。
ヤマは乃木坂に加入する前、学校でイジメにあって孤立していた経験もあって、一匹狼的に肩肘張っていた部分もあったようだが、乃木坂で、信頼でき、尊敬でき、頼れる仲間と出会って、こんなステージを作れるようになったという山下美月のアイドル人生の縮図を見せられているようだったな。
アンコールではドレスに着替えて登場。
そしてラスト4曲は、全てヤマ自身がセンターに立った曲(未来の答え、好きになってみた、人は夢を二度見る、チャンスは平等)で締めくくり、
月に乗って空に帰っていった。
辞める時になって気付いた、ヤマの虜(トリコ)になっていたことを。