前編では何のツキも出てこない上に、


やっと北ノ俣岳の稜線に出ただけ。先はまだ長い。


それにしても、例年なら梅雨真っ最中の7月2日に、こんな展望があるなんて誰が想像しただろう?



この時期に北アルプスに来たことがないので、いつもがどうなのか解らないが、とにかく虫が多い! ジブンの登山歴史上最多と言っていいくらいの虫が纏わりつく。
なんでヤツらはピンポイントで耳に飛び込んでくるのか?!

吸血性の虫ではないらしく刺されないのは助かるが、ちょうど同じタイミングで稜線に到着した登山者さんとボヤキまくり、早くトンボに出てきてほしいという点で意見が一致した(笑)。

8:40、北ノ俣岳、



9:07、赤木岳(ケルンしかない)、



時々残雪を横断する。



登山口から約5時間、最後の登りに向かう。



10:38、黒部五郎岳の肩、到着。



10:50、山頂!



1時間前と較べると雲が増えてきた。
それでも、右の槍ヶ岳から中央の鷲羽岳・雲ノ平、左の赤牛岳までクリアに見えている。


5年振り2回目の五郎岳だが、前回は曇りがちでここまでの展望はなかった。

5年前に一番印象的だったのがここのカールで、今回もそれを一番見たくて来たのだが、ここまでの5時間半で、たったの5時間半とは思えないほどの疲労感。

上から見るとカール内の残雪も多いようだ。

実はこの日、全般的には晴れ予報だったが、山間部では午後に雨、という注釈付きだった。
ということは、山では絶対降ると思った方がいい。

カールの下まで降りて、登り返すのにどのくらい掛かるか?

天気が崩れる前に下山したいという欲求が勝ち、カールを見るという目標は次回にお預け。

一旦、肩まで降り、残雪で足を冷やして痛みと疲労感を軽減させてから下山開始。

立山に劔岳(とその奥の白馬?)も見納め。



雲は増えていくが、稜線から降りるくらいまでは大丈夫かなと思いながら淡々と下っていると、何かが動くのが目に入った。

小さい鳥?

雷鳥のヒヨコちゃんだ!

と思ったのと同時に、登山道でオカーサン雷鳥が堂々と砂浴びしているのが目に入った。



いやいやキミ、そこ、登山道のど真ん中なんですけど。


邪魔するのも悪いので、5mぐらいのところで砂浴びが終わるまで待っていたが、実に念入り。
梅雨明けまで雨続きで、相当、虫やら寄生虫やらがたかっていて、晴れて砂も乾いたから満を持しての砂浴びだったのかも。

がしかし、あまりに長いし移動する気配すらないので1mまで近づいてみたが、全く逃げない。



おかげで、ヒヨコちゃんのこんなアップも撮れたので大満足。
カールを諦めた結果の遭遇、ツキってあるよね。



稜線から降りる直前には、かなり空は怪しい感じとなっていた。



できるだけ早く樹林帯まで下りて雨がしのげるようにしたいので、脚はキツいが休まず下る。

少し遠くで雨が木々の葉に当たる音が聞こえ、雷も鳴り始めた。

しかし自分の所には、遠くの雨が風でパラパラ飛んでくる程度で、ほとんど降られずに下山完了!




帰り支度をして車をスタートさせると、10分もしないうちに豪雨となった。
山の中も豪雨だったかはわからないが、カールを諦めたことで、雷鳥に遭遇できて雨も避けられた。ツキがあったねぇ。