続きの前に、ちょっと補足。
六甲の全山縦走は、大正の終わりころ、登山家として名が知られるようになる前の加藤文太郎が、須磨(の西の塩屋)から山に入り、六甲の山々を縦走し、宝塚に下山して、さらに市街地を歩いて和田岬(兵庫駅の南)の家まで、約100キロを17時間で走破したことに始まる。
ということで、現在は、毎年11月に全山縦走大会が開催され、神戸の市民イベントとして定着。
そのため、神戸市の出先であるハローステーションKobe(三ノ宮駅前にある)でコースマップを¥400で売っている。今回はそれを入手(正月も営業)。左にあるいつもの登山地図も用意したが、全く出番なしだった。

さて、桜茶屋まえでオロナミンC休憩のあと、後半の難所、摩耶山に向かう。
地図には、「稲妻坂」なんてオソロシイ名前がでているところ。標高500mを超えてくると、大晦日の雪が残った登山道になってきた。

一応、雪は想定していた。でもトレランシューズ。
ワタシの想定では、雪は残っていても10cm程度。
で、新雪だから、それほど滑らないはずなので、後半に走ることを考え、登山靴もアイゼンも不要。
これで80%は正解だった。
11:26 摩耶山698m。ルートからちょっと左にそれて一登りしたところが頂上。ダッシュで登って証拠写真。

ここらが、全縦コースの中間点。スタートから28キロ強。6時間かかった。倍にしてゴールまでは12時間か。
休んで時間をロスしたり、モチベーションが下がるのが怖いので、まともな休憩(5分以上、もしくは座っての休み)なしで来ているが、ここでも休まず前進。
ちょっと曇ってきたかな。

この辺だけではないが、分岐が多く、道標に「○○を経由してどこそこ」というような表記もあるので、間違えないように慎重に道を選ばないといけない。
だから、さっき載せたコースマップ、スタートの塩屋からゴールの宝塚まで一度も仕舞わず、ずっと手に握りしめて歩いて(&走って)いた。
12:24 丁字ヶ辻。

ここまで来ると、完全に六甲山の山頂観光地に入ってきた感じで、登山道ではなく一般道の歩道や路肩を歩く。
12:31 六甲山ホテル前通過。旧館がいい感じだったのでパチリ。

12:45頃、神戸GCのコースの中を抜けていく。さすがに積雪でクローズだ。

13:00 六甲ガーデンテラス前。

左に写るケーブルは六甲有馬ロープウェーのもの。あれに乗れば、有馬温泉
に一直線!
でも、その誘惑には、乗らない。
軽く雪山の雰囲気の中を歩き、

13:30 出発からちょうど8時間、ついに、
六甲山頂931mに到達!

1000m以下の山頂で、これだけ嬉しかった到着は、かつてない (ウレシ泣き)
(右手に持っているのが手袋と、さっきの地図。)
ココが最高点なので、あとは下り中心。さすがに安心して大休止。

山ヤなので、こういう企画であっても、火は持参
ちなみに、コース前半で何度も市街地を通過するので、食糧も飲料も充分に調達可能。
できるだけ荷物は軽く少なく、現地調達でトライするのが「全縦」のコツということ。
大休止と言ってもたぶん2、30分ってところ。
14時前には再スタート。
しかし、その直後、痛恨のコースミス。間違えて、有馬温泉に向かう魚屋道(ととやみち)に入ってしまった。
途中で宝塚方面に分岐すると思って進んだが、分岐がなく、前を行く人に聞いたら、出だしのところで平行している一般車道を行かないとダメだとのこと。この戻りが登りでスタミナロス
14:16 ようやく正規ルートに戻り、この分岐から、山頂観光地にサヨナラして、再び山道に戻る。

残り13.5キロ、走りを入れれば2時間か?
さて、さっき、トレランシューズで80%正解、と書いた雪対応。
20%の誤算とは、「下り」、と、「踏み跡」。
雪道の経験はそれなりにある。 登山靴なら、ソールのブロックが食い込むから問題ない。
しかし、トレランシューズでの雪道は、そもそも、夏タイヤで雪道を運転するようなもの。
しかも! 関西、六甲を全く知らなかったので、これほど正月から人が入っているとは思わなかった。
つまり、トレースができているが、それで、新雪が踏まれて磨かれ、凍って、滑りやすくなっている。
ワタシの華麗なるテクニック(ないない!)を持ってしても、滑りが止められない。メッチャ危険。
不安な人は、4本爪でいいので軽アイゼン持参でどうぞ。
そんな下りだけど、もうかなり脚が消耗しているので、JOGペース程度でしか走れないし、怪我だけは絶対ゴメンなので、疲れで切れかけてる集中力をかき集めて下る。
そうそう、何で急いでいるかというと、日没が17時ぐらいだから。
その前にゴールしないと、危険な下りの山道をか細いヘッドライトの明かりでのろのろと歩く羽目になる。
(ワタシの持っているヘッドライトが暗い、というウワサもあるが・・・。)
15:44 塩尾寺(エンペイジ、と読む)。

残り3キロ。あとは全部舗装路。かなり急な下りだが。
宝塚の街が見える。

16:05 宝塚駅前到着

(ここがゴールですよ、というものはない(みたい)なので、一応、ここでゴール!)
出発から10時間30分、総距離56キロ、累計標高差2000m以上。
やりました
(ミスコースがなければ10時間切れたかも・・・。)
しかし、今までいた六甲山中と違って、宝塚に下りてきたら山のヤの字もない。ハイカーの姿もない。
汗でしんなりした山ヤに、宝塚歌劇の街は場違いもはなはだしい。
「え、青いフリースのキャップにー、赤いウィンドブレーカー、グレーの半ズボンにー、黒のタイツをはいたー、オジサンが、迷子です」 という場内放送が聞こえそう。
なので、駅ビル内の中華料理屋「珉珉」に逃げ込む。

立て続けに生中2杯飲んだら、汗で冷え切っていた体が余計に冷えて、震えが止まらず。
もう体内のエネルギーが枯渇していて、アルコールと、ちょっと食べたぐらいでは発熱できないみたいだ。
震えながら電車に乗り、昨日泊まっていたカプセルホテルのサウナに向かった。
おしまい。
P.S. 帰ろうとして車のキーをひねったら、クスンッ、といってエンジン掛からず
車まで、主人に呼応するようにエネルギー(バッテリー)切れ。レスキューを呼ぶ羽目に・・・。
充電してもらい、エンジンは掛かり、動くようになったが、なぜかヒーターが暖まらず。
寒い思いをして名古屋まで帰ったのがダメ押しで、完全に風邪引きです