今日は「石松」
桜木町、横浜の名所を抱える重要な駅だ。最新のビル群と歴史的建造物、流行の店と老舗、高級店と庶民の味…開港に縁深い、万人を受け入れてきた土地ならではの光景だ。昭和40年代初頭、オフィスとショッピング、飲食店が入った複合商業施設「桜木町ゴールデンセンター」が華々しくオープンした。この手の施設は今でこそ珍しくないが、当時からつい最近まで、桜木町のランドマークとして機能してきた。しかし、寄る年波か往年の元気は…現在は「ぴおしてぃ」として頑張っている。その地下二階は我々の捜し求めたエリアだ。新橋のニュー新橋ビルには及ばないが、大衆酒場が軒をつらねる。石松はその一角に陣取る。まだ、昼一時だと言うのに、カウンターは一通り埋まっている。王道コップ酒、奴、漬け物でスタート。都度払いだから余計な心配は無用だ。このつまみでコップ酒3杯。軽めであがるのが良い。
今日は「李さんの台所」
賭博、性風俗がひしめく福富町。都橋から伊勢佐木に抜ける狭いが目抜き通りがある。例の独特の臭いを出す地域だ。一体、このエリアで一日にどれだけの金銭が動いているのかは想像をすることができない。以前、あるバーの社長は、身につけている物だけで数千万、車に乗ると一億と言っていた…生物に対する風当たりが強い昨今、生好きは生が欲しくなる。無いものねだりなのだ。ケジャンという韓国の生ワタリガニを唐辛子でつけ込んだ物とカンジャンケジャンと言って生ワタリガニを醤油でつけ込んだ物があるが、後者が最高に旨い。この時期、生ワタリガニもヤバそうだが、欲望は止まらない。しかし、これを食わせる店は数少ない。(前者は比較的食える店は多い)その数少ない店がここだ。着席し合成甘味料の入った韓国焼酎を頼み、カンジャンケジャンを注文、さらに最近めっきり食えないあの品まであると言うのであわせて注文した。言うまでもなく、それから至極の時間を過ごした訳だ。ただ、おかげで合成甘味料入りの韓国焼酎を飲み過ぎたので、翌日の頭痛は堪えた…
今日は「海洋」
毎度おなじみだが、川崎駅周辺は好まないが、少し離れた地区には魅力的な店が点在する。東田町、そこは日本人を遥かに超える数の外国人街だ。そこに至るまでの道のりも、名物のぶよを追い払いながら、ゲロと生ゴミの香りの道を進む。新大久保と言い、福富町と言い、街の独特の香りが、日本に居ることをしばし忘れさせる。安直な店づくりで、数ヶ月で潰れる店が多い中、「海洋」は、この辺りでは歴史がある方だ。独特の香りがするエレベータに乗り店に入る。物が置かれて使えないカウンターを無視し、奥座敷に。韓国語のドラマが流れている。骨抜きで煮込んだ豚足ワンチョクパルと魚卵で作った鍋アルタン、野菜に自家製の臭い味噌とご飯を包んで食べるサムパブを注文。歩いてきたので喉の粘膜が生乾きだ。冷えすぎのビールにワンチョクパルで時間を潰す。調理の臭いに猛烈に食欲が沸く。ところで昔の豚足は処理が悪く、毛が残っていて、爪の間に糞が詰まっていた。そういう意味で、ワンチョクパルは食いやすい。釣り餌に使うアミの塩辛セウジョッをつけて食う。旨すぎる。アルタンは旨味と辛みで癖になるし、サムパブは味噌が臭くてたまらなく旨い。合成甘味料入りの韓国焼酎を飲みながら、久々に韓国料理を平らげた。