「とにかく忘れることが多くて…」
けんいちがうつむいてしまう。
ケンイチは24歳。
大学卒業した社会人2年目。
精神科クリニックにADHDの診断をうけている。
ADHDに効くと言われているコンサータ―を服薬してるが
変わらないからカウンセリングルームにやってきた。
ケンイチの次の言葉を待つ。
「一生懸命やっているが、そのせいでミスが多くて」
次の言葉を促すために小さくうなずく。
「それで職場の人から信用がなくなってしまって」
だんだんと言葉が湿ってくる。
「周りに迷惑をかけていることはわかっているけど、どうすることもできなくて…」
「わかるよ」
小さな声で言ったつもりだけどケンイチに深く届く。
安易に「わかる」と言わないようにしている。
本当にわかっているか自信がないから…。
でも、同じことで苦しんできてからよくわかる。
ADHDを抱える人の苦しみだ。
ADHD(注意欠如多動症)は発達障害の1つである。
その特徴
・不注意→集中力が続かない
・多動性→落ち着きがない
・衝動性→思いつきで行動する
がある。
ADHDを抱える人の生きづらさは同じつらさを感じているからこそできることがある。