現在、病院や福祉施設の給食現場における調理員不足は、非常に深刻な局面を迎えています。これまで現場を支える貴重な労働力となっていた特定技能「外食業」の新規受け入れが停止されたことにより、従来の採用ルートを通じた調理員の確保が極めて困難となりました。

 

一般の飲食店であれば、人件費の上昇に伴ってメニューの価格を引き上げ、その利益をスタッフの待遇改善に還元して人手を集めるという選択肢もあります。しかし、医療報酬や介護報酬、契約による給食費といった「公的な制約」の中で運営されている病院や福祉施設では、安易な値上げをすることができません。収入の上限があらかじめ定められているため、賃金の引き上げによる人材獲得競争に参入することが難しく、これが給食現場における採用活動の大きな足かせとなっています。

こうした苦境を乗り越えるための現実的なアプローチとして注目されているのが、施設内で「惣菜製造業」の食品営業許可を取得する方法です。もし給食を調理する現場でこの許可を取得することができれば、「外食業」ではなく、特定技能の「飲食料品製造業」の枠組みを適用することが可能になります。これにより、国外からの人材採用ルートを新たに確保でき、採用難の緩和を期待することができます。

 

もちろん、他の制度として技能実習(今後は育成就労へと移行予定)を活用して外国からの人材を呼び込む方法も考えられます。しかし、この制度はあくまでも「技術移転による国際貢献と人材育成」が目的であり、不足する労働力を直接補うための「就労」を目的としたものではありません。制度の趣旨を正しく理解し、育成を前提とした丁寧な受け入れ体制を整える必要があります。

さらに注意しなければならないのは、この特定技能制度自体が万能ではないという点です。「飲食料品製造業」や「介護」の分野においては、来年にも国が設定している受け入れ数の上限に達する見込みとなっており、今後は制度的な枠組みだけでは国外からの人材を十分に獲得できなくなる懸念があります。

だからこそ、私たちは特定の在留資格に依存するだけの採用活動から脱却しなければなりません。今後は、盛り付けロボットや自動調理器といった「テクノロジー(ロボット)の積極的な活用」による省力化を急ぐとともに、アクティブシニアといった「高齢人材の活躍の場」を広げるなど、年齢や国籍を問わないダイバーシティ構想を現場に浸透させることが必要不可欠です。限られた財源の中で、持続可能な給食の提供体制を維持していくための大きな変革期が、今まさに訪れています。

 

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