リュディアのクロイソス王がデルフォイの信託にペルシャ帝国を攻撃すべきかどうか伺いを立てた時、「王がそうすれば偉大な帝国が滅びる」と回答が返ってきたと言われている。
皆さんが王だったらこの回答をどう解釈するだろうか?
人間は自分の都合の良い解釈をしがちだ。
実際に王は「相手国(偉大な国)が亡びる」と解釈した。そして攻撃し、負けた。王は「自分が勝っても負けてもどちらかの偉大な帝国が亡びる」とは解釈しなかったのである。
1956年に出版された「予測」という本は昔の漫画やイラストを編集して将来の予想を描いたものである。
最近でも3.11を予測していたなど似たような本をよく見かけるのではないだろうか?
ある絵ではロシアが飢えた凶暴な熊として描かれ、ヨーロッパとアジアを飲み込み次の獲物、日本を前に口を開けている。「怖いくらい当たっている」とこの本を編集したジョン・デュラントがコメントしている。1956年といえばソ連が強国としてヨーロッパやアジアを支配しようとしていた時代だが、この漫画が50年以上前の1904年に書かれたものであることを考えると驚くほど先見性にあふれているとデュラントは思った。しかし、その結論に達する前に彼は歴史をよく研究するべきだった。その漫画が表していたのは、ロシアと日本の間で高まる緊張だ。この後実際に戦争が勃発するが、負けたのはロシア。その後ロシアは市民の暴動に悩まされる。そしてそれから10年もしないうちに第一次世界大戦が起こりロシアはまた破れ広大な領土を失いロシア革命へと続く。その10年後には大飢饉が発生し最終的にはナチスドイツによって壊滅状態に追い込まれる。しかし、この漫画が出版されてから40年後ロシアは強国の地位を手に入れた。なので1956年にそれを目にした人にとっては先見の明にあふれた啓示的な作品のように思えた。
人間曖昧なものに対しては都合のいい解釈をする。そして、自分が正しいと思った情報ばかりを人は集める性質がある。これを 確証バイアスというがバイアスについてはまた今度
