私はセミナーもよく実施しているのですが、私のセミナーはわかりやすい。

 

学生から60代までが聞きに来てくれて「聞いてよかったです」と喜んで帰ってくれます

 

しかし、この「わかりやすい」というのは大きな落とし穴があります。

それはなんでしょうか!??

 

 

 

何かというと、聞き手側が「わかった気になる」ということです

どういうことかというと分かりやすい例えをつくってみました

 

高校受験や大学受験の時に数学や英語の参考書を解いていた時を思い出してみてください。

間違えてしまった問題がありました。あなたは解説書をじっくり読んでみるときちんと「わかった」という状態になりました。

しかし、再度問題を解いてみるとまた間違えてしまいました。

 

つまり、参考書の問題が解けなかった後で解答ページを見たら、急にすべてを理解したような気分になったということです。

 

よくありませんでしたでしょうか?

私はよくありました

答えを見ればわかった気になるのは当たり前で実際はこの時にはまだ解放は頭に入っておらず、知識としては使い物にならないのです。しかし、多くの人はここで「自分は最初から理解していた」と錯覚します。そのせいで、実際よりも高い能力が備わったように思いこみ、いつまでも実力が身につかないのです。

 

これが分かった気になっている知識の典型例です。

 

だからこそ、最初にこちらから質問をして「自分はわかっていなかった」ということは理解させることが大事なのである。

前回の後知恵バイアスでも記載していたが、先に答えを聞いてしまうと自分は最初から分かっていたと人は思ってしまうようだ。

 

ちなみに分かった気になっていることをファインマン効果と言います。

 

ファインマンとは人の名前です。

 

すこしご紹介させていただきます。とてもユニークな方です。

ファインマン氏は優れた物理学者であり、朝永振一郎氏、ジュリアン・シュウィンガー氏とともに1965年にノーベル物理学賞を受賞しています。

ノーベル賞受賞の電話が、朝3時半にかかってきて、「今眠いんだ」と電話を切る。あまりにも何度も電話がかかってくるのにうんざりして、受賞を断ろうとしたが、説得に応じて賞をもらったという非常に面白い方です。彼の著書で「ご冗談でしょファインマンさん」は思わず笑ってしまう内容が多く詰まっています。

 

そのファイマン博士からとられたファインマン効果。どうしてそのような名前がついたのでしょうか?

ファインマン博士は教えるのが非常に上手い方で、博士の講義は生徒から大人気でした。しかし、大人気で分かりやすい講義にも関わらず、生徒の成績は全く上がらない結果に。

その原因は、ファインマン博士の講義が分かりやす過ぎるため、生徒が理解した気になり復習などを全く行わなかった、と言われています。

 

ドイツ心理学者エビングハウスの忘却曲線でいわれているよう、人間の記憶は20分で42%忘れます。

つまり、講義を聞いても20分後には半分近く忘れているんですね。

「脳は忘れることも仕事」なのです。その理由をここで詳しく書いていくとはしませんが、調べると面白いです。

 

知識には2種類あります

①   認識レベル
なんとなく見たことある程度の知識。聞いたことがあるし“知ってる”けど説明できない知識

②活用レベル
実際に日常や仕事に活用できる。他人に説明できる程度の知識。

 

ほとんどの人の“知っている”は「認識レベル」が多いと思います。

10時間かけて読んだ本の知識を、1か月後に聞いてみるとほとんど覚えていない人が多いのではいでしょうか?

 

どうせ知識をつけるのであれば目指すのは「活用レベル」の知識かと思います

勉強で知識を身につける場合、そこから行動を起こすことによって習得率が高まります。

心理学者エビングハウスの忘却曲線で言うと、例えばスクールに参加した1時間後には56%忘れ、1週間後には77%、1ヶ月後には約80%を忘れてしまうというデータがあります。

 

忘れないための対策として、確実に行動を起こして、それを身に付けていく必要があるのですが、最も自分の身になる方法、それは人に伝えることです。

自分が学んだことを誰かに教えると、更に新しい情報を吸収する能力が高まります。人に伝えるためには、頭の中で情報をうまく整理して、より正確に伝える必要があるので、そのような効果が生まれるのです。

 

2014年8月 "Memory & Cognition" 誌に掲載されたワシントン大学セントルイスなどの研究によると、テストを念頭において勉強したときよりも、他人に教えることを念頭において勉強したときの方が勉強の効率が向上するといわれています。

 

学生を2つのグループに分けました。

「この後にテストがある」と思いながら勉強する

「この後で他の学生に教えなければならない」と思いながら勉強する

 

このように学生を2つのグループに分けて、書物に書かれている内容を暗記させました。 そして、暗記した内容を両グループでテストしました。

結果「後で他人に教えてください」と告げられたグループの方が内容を正確に思い出す確率が28%も高く、特に重要な情報ほど記憶していたのです。 文章の暗記だけでなく、文章の内容(特に重要な事柄)に関する理解についても、こちらのグループの方が優れていました。

 

他人に教えようとして勉強すると学習効率がアップする理由に関して、研究者は次のように説明しています

「教師は授業の準備をするとき、授業内容の要点にあたる部分を探し出し、要点と要点の関係を整理して構造化します。 これが結果的に効果的な学習法となっているわけですが、学生であっても他人に教えようとして勉強する場合には教師と同じような学習法を(無意識のうちに)用いるのでしょう」

この学習法は、自宅で自習するときにも、学校の授業に取り入れても有効だと考えられます。

 

私がブログを投稿するのはこの理由もあります。

 

教える人がいなければアヒルの人形に話しかけるのでも大丈夫です。「ラバーダック勉強法」です。ラバーダック勉強法とはお風呂に浮かべて遊ぶ黄色いアヒルのオモチャを相手に自分が学んだことを説明していくテクニックです。

 

怪しいかもしれませんが、シンガポール国立大学による実験では見知らぬ人物に向かって勉強した内容を説明したグループは複雑な概念への理解力が高まり1週間後に行われたテストの成績も良い傾向にあったようです。

 

是非セミナーなど参加した方は学んだ知識を誰かに教える、もしくは教えようと思って聞くと時間の無駄にならないのかなと思います