人は感情で動くという話をさんざんしてきましたが、相手の意見を変えたいと思ったときにはどうしたらよいのだろうか?
一つ参考になる話がある。
1990年代初めにケベック州でカナダからの独立の機運が高まっていた時にフィリップ・テトロックは何人かの専門家に対してシナリオに関する実験を試みた。まず現状が継続する可能性からカナダが崩壊するという可能性までを出してもらい、次にそれぞれの結果に至るまで、ドラマチックに詳細を記述したシナリオ(鮮明で生き生きとしたドラマチックなストーリー)を読んでもらってから、もう一度判断してもらった。この実験で手とロックはシナリオの効果を実証した。どの専門家の見積もりも跳ね上がったのである。実際それは効果がありすぎた。シナリオを読んだ後の見積もりはあまりにも高く、現実的ではなくなったのだ。ケベック州が独立する確率が75%かつカナダの支配家にとどまる確率が75%なんてあり得ないではないか!!詳細と色とを付けくわえられたドラマは正確性をあっという間に落とすが、もっともらしさはグンと上がる。
だからこそ、メディアで頻繁にでてくるものに対して人間は過剰に反応するようになる。
例えばメディアで飛行機テロの放送がされるようになると、人は飛行機に乗ることを怖がり車移動を好む。しかし、実際には飛行機テロが起こる確率よりも圧倒的に交通事故で死ぬ確率の方が高い。
しかし、人間は物語やストーリーがあるものに「もっともらしさ」を感じるのである。更に利用可能性ともいわれ、見る頻度が高ければその可能性を高く見積もってしまうのだ。だから、メディアで同じ放送ばかりを見ているとその可能性を高く見積もりがちになる。利用可能性についてはまた今度。
