2017年に自分で立ち上げたASCスクールに全力で挑むため、僕は2020年に「安床ブラザーズ」で出演したスイスでのショーを最後にプロスケーターとして引退を決意。世界戦デビューから丸25年のタイミングでした。
 
現役との両立で行っていた頃のASCスクールは、僕の海外遠征を優先し年間の半分以上はお休みになってしまうような不定期なスクール展開でした。徐々にプロスケーターの依頼を断るようになり、毎日プログラムを受講できるようになったのは2年前からです。

講師としては実際にASCスクール生から日本代表選手が育っていることを誇りに思っています。その反面、僕が海外で続けてきたプロスケーターとしての仕事を引き継ぐまでのスケーターは育っておらず。立場上、"プロスケーターとして続けるべき仕事"と"スクール業"は、僕の中で常に天秤にかかっているのが正直なところで…
 
あの引退の形に後悔はない、と終わらせようとしていたところに、先日アメリカのイベント会社から「安床ブラザーズ」にショーの依頼が入ってきました。内容は、今年の8月にカナダ・トロントでの20日間続くショーケース。いつものように若手に振ることも提案したのですが…、そもそも安床ブラザーズでなければ無くなる企画だという。
 
いまの僕はレッスンで毎日のように滑ってはいますが、自分の練習やトレーニングを続けていたわけではありません。4年前のように滑れないのが現状です。
 
この依頼を受けた場合、自分の時間を作ってトレーニングを再開し、滑りを取り戻す練習を再開する必要があります。なにより、スイッチをONにする"気持ち"から作らなければいけません…。完全にスイッチをOFFにして4年以上。今の自分にできるのか?
 
そんなことをここ数日考え続け、引き受けることにしました。
もう一度だけ「安床ブラザーズ」の復活を目指して、トレーニングから再開です。
 
滑りはどこまで取り戻せるかわかりませんが、3週間を毎日滑り切る体力は取り戻さなければいけません。いまは不安ですが、とにかく再出発です。
 
まずは、ランニングシューズを買いに行って、失効したパスポートを申請しなければ…。笑