僕にはオリジナルトリック(技)がいくつかあります。 小さいのを入れると6〜7個ありますが、大技と呼ばれるのは以下の3つです。
 
まずは、99年に完成させた技「1080 Flat Spin(テンエイティー・フラットスピン)」
17年経っても真似をする人がいない技です。技自体の高さを出す為に一度空中に飛び出してから回転を加える動きが特徴的で、別名「1080 California Roll(カリフォルニアロール)」とも呼ばれています。
 
そして「Double Backflip 180(ダブルバックフリップ・ワンエイティー)」
この技は2回後方宙返りに半回転ひねりを加えた技で、僕が初めて成功させたトリックではありますが、発想としては"ダブルバックフリップ"の延長にある為、きっと多くの人が想像できる動きだと思います。
 
そして、08年に作った「Twister(ツイスター)」
最初に浮かんだコンセプトは「フリップ(縦回転)とスピン(横回転)のコラボレーション」です。動きを途中で切り替える全く新しい動きを作りたくて、アメリカ・カリフォルニア州にある"WoodWard West"に閉じこもって試行錯誤を繰り返しました。 
 
実はこのトリックをイメージし始めた時、僕はスケートを辞めていました。
というのも、首の脊髄を圧迫する怪我をして、結果的に一時的ではありましたが身体が動かせない時期がありました。スケート活動の全てを休んだ際には、「安床ブラザーズはもう終わった」「安床エイトはもう滑れない」という雰囲気が業界中に流れました。幸運なことにリハビリとトレーニングをして滑れる身体に戻すことができた時、僕はこの流れを払拭する必要があると感じました。何より、まだ滑れるという確信を自分自身が取り戻したかったのだと思います…。その為、全く新しい動きの技で世界にアピールしようと思いついたのがこの「Twister」でした。
 
アスリート生命をかけた最後の挑戦のつもりで挑んだ時の映像があります。この挑戦のおかげで僕は今も滑り続けることができています。そして滑り方を見直し、成長するチャンスを与えてくれています。