むかし、ボイジャー1号という惑星探査機が人類はひとりぼっちじゃないことを確かめに飛び立って、今彼は太陽系さえ離れ遠い外宇宙の闇の中をたった独りで飛んでいるんだけど、そのボイジャー1号が土星の外側、地球から60億キロメートル離れた場所から映したのが下の写真。
この「淡く青い点」と名付けられた写真は、だいたい土星からみた地球の姿で、拡散する太陽光線の中にポツンと在る。
当時、この写真をボイジャーに撮らせるようNASAに提案したカール・セーガン博士が感動的な言葉を残していて、要約するとこんな感じだ。
この小さな淡い点に、わたしたちのすべてが在る。人類だけでなくすべての生命、すべての歴史、すべての想い、愛する人も、憎い敵も、すべての希望も願いも、哀しみも…。
そう想ってもう一度、この小さな淡い青い点を見れば、わたしたちのしてきたこと、今していることの本当のところが分ると思う。
そしてこれからすべき事への責任も。
ボイジャー1号は今も、文明の信号を発しながら真っ暗な外宇宙をひとりぼっちで飛んでいる。帰還できない旅だ。
その後つづくボイジャー2号には、人類はこんな、です、って絵と座標が描かれたレコードが積まれている。
やっとお隣の恒星系に着くのは4万年後だ。
彼らの任務は、わたしたちがひとりぼっちじゃないことを確かめること。そのために何処までも飛んでいく。
「誰かいませんか?わたしたちは、ここにいます!」、と…。