冬、曇天シャワー いま、二月になって何度目かの雨が降っている。音も無く 落下する水の白い線は、午後2時の冬空を 別の季節の色に変え、 道行くクルマのボンネットで踊り、湿った地面で少し跳ねて、小さな 水たまりになった。 よっぽどでなければ傘をささない僕は 前髪を大槻ケンヂみたいに垂らしたまま 空を見上げ 絶え間ない目薬のような雨粒を受けながら、これが雪だったらいいのに 、と思った。