小さな里山にも桜の季節がやってきました。
そして、決して忘れられないこの日がやってきました。
5年前の今日、私は娘がもうこの世にはいないことを知らされました。
もうあの日は遠い、遠い‥遥か彼方に去ってしまったのですね。
でも、昨日のことのように思い出す瞬間があるのです。
娘が行方不明になってから10日目
その日も警察の方からの連絡をひたすら待っていた
きっと〇〇は発見される
絶対帰ってくる
信じて疑わなかった
だって私の娘だもの
仕事を休んでいると時間がゆっくりと過ぎていく
夕暮れ時になるとその日も散歩に出かけた
山桜を眺めながら空を仰ぐ
秋ではないけれど、動揺『赤とんぼ』がぴったりの風景
夕やけ小やけの 赤とんぼ
負われてみたのは いつの日か
夕やけ小やけの 赤とんぼ
途中の歌詞が思い出せない
思い出したところから口ずさむ
十五で姐やは 嫁に行き
お里のたよりも 絶えはてた
夕やけ小やけのあかとんぼ
‥
私があの子をおんぶしたのはいつ頃までだったかな
〇〇
ママは待っているからね
帰ってきたら一緒に桜を見ようね
自宅が近づいてきた時
スマホの電話が鳴った
兄からだった
急いで家に帰ると
近くに停まっていた車両から面識のある男性が3人降りてきた
娘の部屋に通す
刑事課の課長が口を開いた
「重大なご報告があります。」
その内容に
絶句した
哭き叫ぶしかなかった
なぜか涙は出ない
「今からK警察署へ向かってください。」
「この電車に乗れば今日中にギリギリ到着できます。」
公共交通機関の案内をルーズリーフに書いて渡してくれた
「ご家族で誰か一緒に行ってもらえれば‥」
兄は戸惑った表情をした
ぐずぐずしている暇はない
しかし
電車に間に合わなかった
兄の運転で現地に向かうことになった
今、時計は0時を指すところです。
あの日、数百キロの道のりを走り
見知らぬ土地にやってきました。
続きは
また明日‥

