京都シネマで鑑賞映画

 

グアンタナモ収容所に収監された無実の息子を救おうとする

トルコ系ドイツ人の母の実話ドイツを映画化。

2022年・第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞2冠(主演俳優賞、脚本賞)を受賞クラッカー
 

 

 

2022年

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロの1カ月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民クルナス一家の長男ムラートは、旅先のパキスタンでタリバンの嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されてしまう。母ラビエは息子を取り戻そうと奔走するが警察も行政も動いてくれず、わらにもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケに助けを求める。やがてラビエはドッケからのアドバイスで、アメリカ合衆国最高裁判所でブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことを決意する。映画.comより

 

ドイツはトルコ移民が多く暮らしていることで有名ですね。

彼女の長男は当時パキスタンへイスラム教の勉強に訪れていました。

しかも、彼の妻はトルコ在住。

ドイツ在住のこの家族の中で、

長男だけがドイツ国籍を取っておらずトルコ国籍でした汗

 

このことがグアンタナモから中々釈放されない原因のひとつでした。

 

母は弁護士事務所を訪れ人権弁護士の力を借りて、

何とか無実の息子を釈放してもらおうと奮闘。

アメリカ政府から釈放の命を勝ち取ったのに、

でもあの有名な収容所から出してもらえないのです。

 

私は未見なのですが、グアンタナモが描かれた映画が幾つかあります。

収容者の人権は無く、拷問は日常茶飯事。

釈放されない原因のもうひとつに、

収容所がアメリカでは無くキューバにあることも関係しているようです。

 

彼女には夫と他に息子が2人。

家族の生活も守らなければなりませんでした。

釈放運動で家を留守にすることが多く、

一時は家族と溝が出来てしまいます。

 

それでも大阪のトルコの肝っ玉母ちゃん、負けてません。

弁護士事務所の職員たちまで巻き込んで、

マスコミの後押しもあり、拘束から5年の月日を経て息子を取り戻す。

 

その感激の再会のシーン。

実は前にも息子らしい人が釈放されたと聞いて皆で出向くのですが、

本人では無くて肩を落としていました。

今回も長い髭で顔を隠された男性をおそるおそる確認。

そして肝っ玉母ちゃんはいち早く確認したのでしたアップ

 

また、母親が長く留守にすることで、

他の息子たちが自分たちの生活を守り、

しっかり自立しているのがとても頼もしかったですグッド!

 

無実の罪で拘束された息子。

結局、何故長くなったのかは分からないそうです。

また、長男はトルコ国籍なので、ドイツ政府からの補償も無かったそうですダウン

アメリカ政府との交渉は基本、ドイツでは無くて国籍のあるトルコ。

この辺りもややこしかったのだと思われます。

 

エンドロールで、現在の状況と、

実物の家族の写真が見られます。

再会で抱き合う写真もありました。

 

本来はとても悲惨で重苦しい内容の作品。

でもこれをコメディタッチで描かれていることで、

私のようなメンタル弱い者でも観ることが出来たのだと思います。

 

因みに、グアンタナモにはまだ30人くらいの収容者いるそうですが、

せめて無実の人は全て釈放されていることを願うばかりです。