フランス映画。

2023年・第76回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。

ジュリエット・ビノシュとブノワ・マジメル主演。

レンタルDVDで鑑賞。CD

 

 

2023年

19世紀末、フランスの片田舎。「食」を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する天才料理人ウージェニーの評判はヨーロッパ各国に広まっていた。ある日、ユーラシア皇太子から晩餐会に招かれたドダンは、ただ豪華なだけの退屈な料理にうんざりする。食の真髄を示すべく、最もシンプルな料理・ポトフで皇太子をもてなすことを決めるドダンだった。映画.comより

 

ポトフはフランスの代表的な家庭料理。

ただ、この作品の内容は副題の「美食家と料理人」に近いかも。

というより「美食家たちと料理人たち」の複数形でもあるかな。

 

最初は料理人がドダンとウージェニーの2人だと思ったのですが、

ドダンは屋敷の主人で、自分でも料理をする美食家。

一方ウージェニーは長年のドダンの料理のパートナーで、

友人、恋人、同僚のどれも当てはまる関係でした。

 

初めの30分。

美食家仲間の集まりに、2人が料理を作る場面が続きます。

これが見たことも無いような美味しそうな料理ばかり。

ドダンは「料理のナポレオン」と呼ばれる存在で、

2人でフランスの創作料理を作ってきたようです。

 

確かに2人の料理は芸術的ではありましたが、

よく見かける気取ったレストランの料理とは違って、

暖かみのある美味しそうな料理ばかり。

しかも食材も買ってくるのでは無くて自家製ですアップ

 

体調の悪くなったウージェニーに

ドダンが料理を作って次々と運ぶ場面があります。

彼女だけのために作る料理。

以前どこかで聞きましたよね。奥様が具合が悪く寝込んだ時、

「俺の夕飯は?」と聞いた旦那と大違いダウン

 

ドダン邸の調理室。

ここの映像がとても素敵です。

光の当たり具合や色合い、調理家具、道具にいたるまで、

有名な画家の絵画を見ているようでした。カラーパレット

 

2人の不思議な関係。

お互い感情に走ることなく、

思いやりを持って過ごす姿は大人のラブストーリーでもありましたラブラブ

 

ビノシュ嬢は相変わらずの貫禄で、

マジメル氏は私がこれまで観た作品の中では一番素敵でした音譜