レンタルDVDで鑑賞。
A24製作。
実話に着想を得た作品。
主演のジェレミー・ポープはゴールデングローブ賞でノミネート。
2022年
フレンチ(ジェレミー・ポープ)は、ゲイであることを理由に母に捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活を送っていた。自分の居場所やアイデンティティーを探し求める彼は、海兵隊への入隊を志願するが、訓練初日から教官の猛烈なしごきに遭った上に、ゲイであることを周囲に知られて凄絶な差別を受ける。しかし、暴力を振るわれ、嫌悪の目を向けられても果敢に立ち向かうフレンチの姿が、だんだんと周囲の意識を変化させていく。シネマトゥデイより
時代の設定が2005年で、
この時代はまだ同性愛者に理解が少なかったのか、
ニュージャージーという土地柄なのか、
フレンチの母親はゲイの息子を突き放しています。
ホームレスで人生に先の見えない彼が海兵隊に志願した理由は、
「どうせ死ぬなら軍服姿で」
同期の男性たちと厳しい訓練に立ち向かいます。
主な教官は3人。
黒人の責任者はフレンチに特に厳しいのは彼の性癖からか。
もう一人の教官は分け隔てなく公平で、
フレンチは彼に密かな思いを馳せます(教官はストレート)
それにしても、同僚で彼を執拗にいじめるのは、白人の青年です。
白人が黒人をいじめるのはお決まりの役回りなのか…
実は教官たちは、訓練生にゲイがいるのは承知です。
その中でのセリフ。
「軍からゲイを排除したら軍は成り立たない」
この時代でも現実は今と同じなのでしょう。
フレンチはどんなにいじめられても冷静で、
水を得た魚のようにこの場所に馴染み、
厳しい訓練にも挫折することはありませんでした。
彼の一番の望みは愛する母親の愛を取り戻すこと。
でもゲイを認めない母との絆は中々取り戻せない。
これが今の時代だったら、親や周囲の考えも違っていたと思います。
20年近く前は、まだまだ同性愛者に理解が乏しかったのが分かりました。
何事にもくじけず、夢を叶えたフレンチがとても頼もしかったです
ちなみにフレンチは訓練後軍の映像担当に決まり、
仲間たちに「将来はハリウッド監督か」と茶化されますが、
彼の分身であるこの作品の監督ブラットン氏は、
本当に映画監督になったわけです。