フランソワ・オゾン監督作品
1972年の「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」
（ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督）のリメイク版ですが、
オリジナルで母親役だったハンナ・シグラ嬢が、
本作品では主人公の母親役で出演されています。
舞台はオリジナルの公開と同じ1972年。
2022年
名の知れた映画監督ピーター・フォン・カント（ドゥニ・メノーシェ）は、恋人と別れてすっかり気落ちしていた。助手のカール（ステファン・クレポン）を使用人のように扱いながら暮らしていたある日、親友である大女優シドニー（イザベル・アジャーニ）が一人の青年アミール（ハリル・ガルビア）を連れ、彼のもとを訪れる。ピーターは若く美しいアミールに一瞬で心を奪われ、彼を自分のアパルトマンに住まわせ、映画界で活躍できるように面倒を見る。シネマトゥデイより
私はオリジナルは未見ですが、
中年の権力のある人間が、
美しい若者に我を忘れてぞっこんなのはよく聞く話。
オリジナルは女性版、今回のリメイク版は男性版となります。
舞台はドイツのケルン。
ピーターはゲイですが以前結婚していて女の子供がいます。
その後は同性の人たちと付き合っていたようです。
親友の女優はハリウッドで活躍していましたが、
彼女が連れて来た若くて美しい男性にピーターは夢中になってしまいます。
彼のためなら何でもしてあげようとする勢いのピーター。
恋に狂った中年男性です。
でも、よくよく考えたら、それはシドニーの企みででは無いかと思いました。
ピーターの好みを知って連れて来たような気がしました。
アミールが去ってからのピーターの落ち込みは異常。
実の娘が訪ねて来ても、若い恋人の事しか眼中になく、
親や娘たちにも暴言を吐き困らせるのです。
ところで、ピーターの助手兼、小間使いにカールという若い男性がいます。
ピーターは彼をぞんざいに扱っていますが、
カールの立ち振る舞いから彼もゲイだと察せられます。
ところが、最後の最後でカールが…
彼の存在もこの作品には欠かせなかったと思いました。
ピーターを演じるドゥニ・メノーシェ氏、
これまでも数々の人気作品に脇役で出演されていますが、
最近は主役級の役が多いかな（未見ですが公開中の「理想郷」も有名）
恰幅のいいハンサムな俳優さん。
久しぶりに「イングロリアス・バスターズ」を観たくなりました。
今はコレですが、若い頃は細かったんだね。
