役所広司氏がカンヌで男優賞の話題作。クラッカー

監督はヴィム・ベンダース。映画

私はこれが今年最後の劇場鑑賞。

 


 

2023年

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。映画.comより

 


平山は男性では少ないと思われる公衆トイレ掃除員で、
しかもそれほどの高齢者ではありません。

彼のトイレ掃除は完璧で、私もそこまで掃除したこと無いくらい汗

女性が入ってきたときは作業中止して外で待ちます。
 

平山はメゾネット形式の古アパートに住んでいます。

趣味はフィルムカメラで木漏れ日を撮ることと、

外で拾った草木の苗を育てること、

昔のカセットテープの音楽を聴くこと。

就寝前に古本屋で買った100円の本を読むこと。本

 

朝早い仕事は終わりも早く、銭湯が開いたと同時に入浴。

浅草の居酒屋で早めの夕食。

家に帰ってカセットテープを聴くことが至福の時。

アパートは古いけど部屋は整理整頓されています。


60代なら、他に仕事も色々あると思いますが、

何故彼が公衆トイレ掃除を生業としているのかは描かれていません。

でも、途中に彼を「おじさん」と呼ぶ女子高生が出てきます。

それは「おじさん」でも「オジサン」でも無くて

「叔父さん」だったのです。

 

女子高生を迎えに来た母親の言葉から、

昔、平山に何かあったのだなと気が付きます。

 

平山が毎朝車で聴くカセットテープの音楽は、

その日その日の彼の気持ちを映し出しているようでした。音譜

そして、彼を見守るのはビルの谷間から見え隠れする東京スカイツリーと、

昼食時の公園の木漏れ日でした。

 

カンヌで男優賞を取った役所氏のセリフはわずかです。

でもこれが本物の演技なのでしょうね。

毎朝仕事に出る時、空を見上げるの平山の清々しい顔。

彼のパーフェクトの人生がじんじんと伝わってきました。合格

 

また、役所氏のインタビューによると、

氏は実生活でも樹木の実生(みしょう)を集めていて、

劇中の紅葉は貰って帰ったそうです。

また、寝る前に布団で本を読むのも平山と同じだそうです。ニコニコ

 

 

全くの余談ですが東京はオシャレなトイレが多いのですね。

 

平山が清掃に入った公衆トイレたち。