レンタルDVDで鑑賞。CD

タイトルから、山岳遭難映画?だと思ったら違いました。

 

 

2023年

北イタリア、モンテ・ローザ山麓の小さな村。山を愛する両親と休暇を過ごしに来た都会育ちの繊細な少年ピエトロは、同じ年の牛飼いの少年ブルーノと出会い、一緒に大自然の中を駆け巡る中で親交を深めていく。しかし思春期に突入したピエトロは父に反抗し、家族や山と距離を置いてしまう。時は流れ、父の悲報を受けて村を訪れたピエトロは、ブルーノと再会を果たす。映画.comより

 

ピエトロ一家は毎年夏だけグラーナ村に休暇に来ていました。

理系の父親は仕事人間で、

父とはトリノの自宅よりも休暇中この村で一緒に過ごすことが多い。

その理由の一つに父親は山登りが大好きだったのです。

しかし都会っ子のピエトロは体力がなく山登りは苦手でした。ショボーン

 

映画が始まってそこまで30分が子供の頃の思い出。

そこから十代後半。彼は進路に迷い、

たまに帰ってくる父親に反抗します。

結局父とは疎遠になってしまうのです。ダウン

 

子供の頃は村のブルーノと友達になり、

毎年夏にこの村で会おうと思っていたのに、

結局ピエトロは長い期間、村に行くことは無くなりました。

 

父親は押しつけがましいことはありますが、

息子に暴言を吐かれても、怒ったり暴力を振るったりはしません。

ただ、息子と一緒に大好きな山に登りたかった。

でもその願いは父の62歳で完全に消え去りました。

 

30歳を過ぎたピエトロとブルーノの再会。

2人とも立派なヒゲ男で、見分けがつきにくかったです。

村で彼は自分と疎遠だった時の父親の行動を知ることになります。

ある意味で父親はもう一人の息子を得て、彼と山に登っていた。

 

2人の青年の友情物語ですが、

ピエトロと父親の話も同じくらい印象に残りました。

父親のことを思うと、ピエトロ同様の切ない気持ちが伝わります。

 

ピエトロが苦手だった山登りを始める頃は、

ヒョロヒョロだった彼は随分たくましくなっていました。

彼はやっと自分の居場所を見つけていたのです。

そして自分とは果たせなかった父の足跡をたどり、父の思いを感じ取ります。

 

途中、友人たちとチベットの「鳥葬」の話題が出ますが、

これが最後の場面に繋がります。

 

最初に山岳映画では無いと書きましたが、

舞台はイタリア北部の山岳地方で、

山を中心にした2人の青年の人生でもありました。

原作はベストセラーとのことで、流石に美しい物語でした。