ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。
2022年
1973年、ハリウッド近郊のサンフェルナンド・バレー。子役として活動する高校生のゲイリー・バレンタイン(クーパー・ホフマン)は、ある日学校にやって来た写真技師アシスタントのアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)に一目ぼれする。「運命の出会いだ」と告白してくるゲイリーを、年上のアラナは相手にせず受け流す。その後、食事をするなど共に過ごすうちに二人は距離を縮めるが、ふとしたことですれ違ったり、歩み寄ったりを繰り返していく。シネマトゥデイより
70年代を舞台にした青春映画との事で楽しみにしていました。
とは言え、70年代でも前半と後半では随分違う。
この作品の舞台73年はニクソン大統領当時で、
作品中に「007死ぬのは奴らだ」が上映されています。
ゲイリー少年は15歳。俳優兼実業家で多才です。
ユダヤ人のアラナは、俳優志望ですが叶わず、
バイト生活で30歳を前に悶々としています。
ゲイリーはニキビ顔でポッチャリ体型、可愛い顔をしています。
でも怖いものなし、猪突猛進。
その反面、何となく母性本能をくすぐるタイプなのです。
それでアラナは彼に惹かれたのかも。
最初はゲイリーの周りを追っていく話だと思っていましたが、
中盤からはアラナの話です。
女心は何とかで、
チョイ悪中年男性に憧れたり、
世の中を変えようと政治の世界で奮闘する男性に憧れたり。
この先の道を迷う姿が分かるな~
(運良ければ市長夫人を狙ったがあえなく撃沈)
ご存じのように大御所俳優さんが何人か出演しています。
ショーン・ペン氏などはすぐ分かりましたが、
トム・ウェイツがどこにいたのか気が付かなかった。
エンドクレジットで知りました。
確かに声が彼だったかも…
また、ゲイリー役のクーパー・ホフマン君は、
フィリップ・シーモア・ホフマンの息子さんだそうです。
ぽちゃぽちゃ体型と笑ったときの口元が父親譲りかな。
アラナとゲイリー。
お互い焼きもちを焼きましたが、
30歳を目の前にしたアラナが選んだのは、
青春を取り戻すことだったようです。
そういえば、劇中日本人女性が2人登場します。
今までは中国人?だったりしましたが、
エンドクレジットの名前が「メグミ」さんと「ユミ」さんだったので、
どうやら日本人か日系のかたのようです。
自分の青春時代よりは少し前だけど、
あの時代とアラナの葛藤が同化して懐かしいと思える作品でした。