ジョージア発の青春物語。
青年ダンサーが惹かれたお相手は…
2019年
メラブ(レヴァン・ゲルバヒアニ)は、ジョージアの国立舞踊団でダンサーとしてハードな訓練を積みながら、レストランのアルバイトで家計を支えていた。ある日、独特な魅力を放つイラクリ(バチ・ヴァリシュヴィリ)が舞踊団に入る。二人はメイン団のオーディションのために猛特訓を開始するが、やがてメラブのライバル心が恋愛感情に変わっていく。シネマトゥデイより
ジョージアはブドウ栽培が盛んで、
最近観たのは「葡萄畑に帰ろう」。
「とうもろこし」や「みかん」の名が付く映画も記憶に新しいところ。
冷戦後も内戦や戦争、クーデター未遂など色々あり、
作品中も、イギリスに憧れる若者や、自国への失望が口に出されます。
元ダンサーのメラブの父親は、この国の舞踊にも否定的でした。
そんな中、メラブ兄弟の所属する国立の舞踊団。
日本でいったらどの団体にあたるのかな~
ジョージアの民族舞踊を踊っていて、
メイン団(一軍?)は海外公演もあり、団員たちの憧れの的のようです。
その一軍に空きが出るのですが、
理由が団員のひとりがゲイで男性と寝たから…
私が見ても違いはよく分からなかったのですが、
メラブのダンスは、コーチに「なよなよしている」と言われています。
男らしさを求められるメラブ。
メラブには彼女がいるのですが、
新入りの青年イラクリに惹かれてしまいます。
ライバルなのに、ライバル心は全く見られず。
自分がゲイだという事を気づいてしまったメラブは、
生活が荒れることはありますが、ダンスの練習は欠かさない。
そしてイラクリとの関係は…
激しくて高速で難しいジョージアの芸術舞踊。
メラブを演じるのはコンテンポラリーダンサーのレヴァン君。
日本のアニメが好きなヴィーガンの22歳の青年。
メラブが自宅のテレビで録画した民族舞踊を観るシーンがあります。
何だかコサックのような踊りも見えました。
ジョージアはソ連に組み込まれていたので
文化はロシア系なのかな?と思いましたが、音楽が全然違う。
トルコに接しているジョージア。
流れる音楽はトルコの音楽に似たイスラム系に多い曲。
ロシア音楽とは違い、摩訶不思議なエキゾチックな音楽なのです。
映画の中で若者たちが危惧する、「ジョージアに未来は無い」のでしょうか。
そして、彼に求められる「男らしさ」とは一体どんなものなのか。
同国ではキリスト教団体が、このジェンダー作品に反対していて、
抗議活動が行われたそうです。
でも、若い人たちがどんどん風習を替えていくのではないかと思います。
余談ですが、メラブの家の中にはアニメの絵が幾つも飾られていましたが、
落ち込んだ彼がたくさん破いてしまいました。
でも千尋とカオナシは破く寸前で止めた。
電車に乗っているあの有名なシーンの絵ですが、
何か意味があるのかな~
最後、イラクリに貰った衣装で踊るメラブのダンスは、
男とか女とか全く関係なく、圧巻でした。