真冬の公立図書館を舞台にした作品。
寒さに耐えられず、閉館後も立てこもるホームレス。
2018年
記録的な大寒波により凍死者が続出する中、満杯の緊急シェルターに入れなかったホームレスの集団が図書館のワンフロアを占拠。彼らの境遇を心配した図書館職員のスチュアート(エミリオ・エステヴェス)は、代わりの避難場所を求めてデモを始めたホームレスたちと行動を共にする。しかし、メディアの報道などでスチュアートは危険人物に仕立てられ、さらには警察の機動隊が出動する騒ぎへと発展していく。シネマトゥデイより
オハイオ州シンシナティ。真冬のホームレスたち。
凍死する人も出始めます。
支援施設はどこも満員で、夜は路上、昼間は図書館で過ごすホームレスたち。
彼らが開館と同時に流れ込んだ図書館でまず向かう場所はトイレ。
ここで洗顔や歯磨きをするのです。
冬でも中は温かいし、パソコンも使えます。
図書館員のスチュアートはある事件をきっかけに検察のデイヴィスと対立します。
ましてや今回のホームレスの立てこもり事件で、
デイヴィスは市長選を有利にするため、スチュアートを陥れるのです。
ここに加勢するかたちになるのが刑事で交渉担当のビル。
冷静のようですが融通が利かず、デイヴィスと似たり寄ったりではないかな~
そもそもホームレスたちが立てこもったのに、
何故図書館員のスチュアートが犯罪者になるのか
しかも彼の過去まで暴き出し、それがマスコミの知るところとなる。
でも、彼の素性は私もビックリでした。
冷たいと思っていた館長が味方をしてくれたり、
事なかれ主義だと思っていた同僚の女性が手伝ってくれたり、
警備の友人もいい人で、この図書館内の人間関係はバッチリ。
スチュアートの敵は検事警察だけで無く、マスコミも。
小癪な女性アナウンサーにはイライラしました。
泣いて笑っての作品でした。
図書館が舞台だけど、読書とは関係ないかなと思っていましたが、
そんなことはありませんでした。
それは、スチュアートがある青年を説得する場面と、
「怒りの葡萄」の場面。この2か所は感激。
企画、監督、主演のエミリオ氏。
弟のチャーリー・シーンには似ていないような
脇を固めるボールドウィンと悪役に徹したクリスチャン・スレイターも印象的。
ジェフリー・ライトもよく見かける御方です。
私は田舎暮らしなので、
ホームレスの方を日常的に見かけることはありませんが、
流石に日本でも真冬に外で寝るのはかなり寒いでしょう。
支援施設があるとは思いますが、
このように大勢が公立図書館に避難するという事態は無いかな。
堅苦しい作品では無くて、
思ったよりも笑いの多かったいい映画でした。