私はバットマンは全然詳しく無いのですが、

ヒース観たさに以前「ダークナイト」は鑑賞しました。

今回、メンタル弱い私が耐えられるかと思いましたが観てきました。

 

最近私が映画館で観た作品は、年配の観客が多かったのですが、

この作品は若い男性が多かったです。

平日だったけど、お仕事お休みね。

 

 

2019年

孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。シネマトゥデイより

 

人間は自分より弱い立場の者を目ざとく見つけ、それを攻撃する。

ピエロ姿のアーサーも冒頭で街の不良たちに襲われます。

でも全編を通して、彼は自分より弱い者を傷つけてはいませんでした。

 

彼を馬鹿にする上から目線の人たちや、理不尽に扱う人、

自分と考え方を否定する人にまでその狂気は向かいます。

殺すと言うより処刑ね。

殺された人たちが死刑に等しい極悪人かと言うとそれは否です。

 

彼の日常が妄想で、人を殺めるときが正気なのではと思ってしまうくらい。

現に彼の妄想のエピソードが組み込まれていました。

 

アーサーのような立場の人は、きっとこの時代たくさんいたと思います。

最後は街中刺激を受けた暴徒が溢れるのですが、

きっとアーサーはその不満の塊を膨らませた象徴に描かれたのではないでしょうか。

 

ただ、彼の性格や行動、病気は母親によってもたらされたものも大きい。

環境だけでなく、妄想精神病と言う遺伝も少なからず影響したのでははてなマーク

 

世の中へ投げ出されるのが怖いと言う反面、

自分の存在を誰にも認められない苛立ちを、彼は暴力と言う形で発散した。

その結果知る人ぞ知る存在になり、ジョーカーが誕生する。

 

バットマンのスピンオフというよりは完全に独立した作品ですね。

もちろん後へ続く伏線は出てくるのですが、

2時間続くホアキンの熱演で、全く別の心理映画になった。

後味が悪いようにも思いませんでした。

 

アメリカでは賛否両論だそうです。暴動に警戒はてなマーク

自分を認めない人たちへの仕打ちが残酷ですが、

無差別テロの方が何倍も残酷だと思います。

 

今回の劇場では、ULTIA鑑賞だったので、

映画の不気味な音楽が足元から響いて体の中に入ってきて、

それが喉の方まで通過するという経験もしました。

 

ジョーカーが乗り移ったホアキンの演技、

やはり来年の賞レース、絡むような気がします。ニコニコ