ショパンと言えば、ピアノ曲。
では、タイトルの「ショパンの歌声」とは何ぞやと半信半疑で鑑賞
2015年
1960年代、カナダのケベックにある寄宿学校。音楽コンクールの優勝者を輩出したこともあるが、修道院による運営が見直され閉鎖の可能性が出てきた。校長のオーギュスティーヌは音楽の力で世論を動かし、学校を存続させようと考えていた。一方、転校生でめいのアリスはピアノの才能がありながら、誰にも心を開かず問題ばかり起こす。シネマトゥデイより
ケベックが舞台なので、カナダ映画ですが全編フランス語です。
この学校は修道女になるための寄宿学校では無くて、
修道院が経営する、
音楽教育を取り入れた自立できる女性になるための学校のでした。
修道院で音楽といえば、「天使にラブソングを」を思い出しますが、
この作品の学校は既に音楽教育には長けていて、
コンクールで銀賞をもらった生徒もいるほど。
讃美歌を歌う生徒たちの澄んだ声も素敵でした。
実情は知りませんが、この時代修道院の経営は大変だったようで、
ここも閉鎖の危機に。
それを打破しようと、校長たちはあれこれ策を練るのです。
転校してきた校長の姪アリスはピアノの才能に飛びぬけていますが、
堅苦しい生活が合わないようです。
彼女のアレンジのジャズ風バッハも面白いのですが、
「キャバレーで演奏するか?カーネギーホールで演奏するか?」、
どちらかを選ぶと聞かれたら、ピアニストは後者なのでしょうね。
さて、この映画の軸となる曲がショパンのピアノ独奏曲「別れの曲」
誰もが知っている有名な曲です。
これをフランスのシャンソン歌手ティノ・ロッシが歌詞を付けて歌っていたようで、
生徒たちがショパンの「別れの曲」を歌うということで、
このイマイチな邦題になったのかも知れません。
最後も別れの曲そのものの展開で、
校長の思い出が走馬灯のように流れる、ちょっと切ない物語でもありました。