フランソワ・トリュフォー監督最大のヒット作品。
1980年
ドイツ占領下のパリ。女優マリオンは、南米に逃亡したユダヤ人で、支配人兼演出家の夫の代わりにモンマルトル劇場を切り盛りしていることになってはいたが、その実、夫ルカは劇場の地下に潜んでいた。現在の演出家ジャン=ルーは独軍にも顔がきき、御用評論家とも親しい。相手役ベルナールはどうもレジスタンスと通じているらしい。そして新作『消えた女』は好評を持って迎えられるが、評論家ダクシアは芝居をユダヤ的と非難した。そんな折、抜き打ちのゲシュタポの捜査が行われた……。
allcinemaより
「アメリカの夜」に続く興行3部作の2作目。
あちらは映画制作の舞台裏を描いた物語ですが、
こちらは演劇の劇場が舞台。
創作ですが、何人かはモデルになった人がいるそうです。
当時、ナチスの迫害から逃れて地下に隠れたユダヤ人がどれほど多かったか。
マリオンの夫もその一人ですが、
地下からマリオンに舞台作の指示を出していました。
この夫婦の絆は強いものだと思っていましたが、
マリオンはレジスタンスともつながりのある若い俳優に惹かれていきます。
演出家の夫はそれに気が付いているのです。
抜き打ちの地下検査はドキドキしました。
フランスのユダヤ人迫害と言えば、ヴィル・ディヴ事件を思い出します。
この作品はちょうどその頃の話。
映画の公開は1980年ですが、
シラクが政府を代表して謝罪したのはその15年後1995年なのですよね。
カトリーヌ嬢はずっと変わっていないような気がしますが、
この頃ジェパール・ドパルリューってカッコよかったのね。
この御方、フランスの税金制度に反発してロシア人になったのが記憶に新しいところ。
最近はあまり日本では観ないかな~
さて、今回借りたDVDですが、
特典映像が結構見もので、
トリュフォー監督へのインタビューや、
彼の読書好きの自宅が公開されています(トリュフォーはプルーストがお気に入り)
また、本作品はセザール賞を10部門も獲得されていて、
その授賞式の映像が収録されています。
ゴダールや、見たことのある俳優さんが映っていました。
(余談ですがこの年のセザール賞外国語映画賞は「影武者」)
カトリーヌ嬢はすでに貫禄でしたが、
客席にいた20代のイザベル・ユペールが若くて可愛いかったです