ヒッチコック監督のブラック・コメディ。
「三十四丁目の奇蹟」のエドマンド・グウェン氏の遺作で、
大女優シャーリー・マクレーンの映画初出演作です。
ちなみに、ハリーは死体です…
1955年
バーモントの田舎町を舞台に、一人の死体をめぐって起こる騒動をスラップスティック調に描いたコミカルなスリラー。ハリーという男の死体が発見された。妻は自分が殴ったために死んだと思い、死体を隠そうとする。だが、彼を殺したと主張する人物は他にも存在していた。彼らは誰が真犯人が知らぬまま、ハリーの死体を担いで犯罪を隠蔽しようとするが……。 allcinemaより
猟に出かけた老人が、自分がハリーを撃ったと思い込み、
遺体を埋めようと画策するところから始まりますが、
周囲の人たちが関わるうちに、どんどんおかしな方向に展開していきます。
不思議なことに、ハリーの遺体を見つけた最初の子供以外は、
遺体を見ても驚かない。
未亡人、画家、医者、浮浪者、子連れ主婦…
この中に殺しの犯人がいるのか、それとも最初の老人が誤って撃ったのか
遺体のハリーの正体はまもなく判明します。
自分がハリーを殺したと名乗り出る人物も出てきます。
でも、何か引っかかるのです…
紅葉の田舎が舞台で映像がとても綺麗で、
ブラックとかサスペンスを感じさせない長閑な映画でした。
デジタルリマスター版なのか、画像も鮮明で、
老人の着ていたコートの柄や生地まではっきり見えます。
初出演のシャーリー嬢は20歳そこそこだと思いますが、
すでに子持ちの役。もちろん最高にお美しい
グウェン氏の優しい顔も印象的でした。
死体を巡るコメディの撮影裏話が特典映像にありました。
シャーリー嬢起用のいきさつなど話されています。
また、関係者の話から、
この作品はアメリカではヒットしなかったそうで、ヨーロッパでロングランだったとか。
理由は死体の扱い方がアメリカ人に受け入れられなかったから。
何せ、ハリー氏は何度も埋められたり掘り返されたりするのです
音楽もユーモアがあって良かったです。