先月のニュースで、国産ウイスキーの原酒不足が報じられていました。
需要と供給のバランスが悪いのね。
それに大量買いする外国人もいるらしい。
ウイスキー、今の日本でも手に入りにくくなるのか
私はこの監督の作品は初めてです。
随分前から予告編ばかり流していて、やっとのことで上映。遅いわ~
8月にはDVDが発売されるようですが、それまで待てない
2016年
第2次世界大戦の戦況悪化が原因でウイスキーの配給が止まり、トディー島の住人たちはすっかり落ち込んでいた。郵便局長ジョセフ(グレゴール・フィッシャー)の長女ペギー(ナオミ・バトリック)と次女カトリーナ(エリー・ケンドリック)はそれぞれ恋人と結婚したがっていたが、周りからはウイスキーなしで結婚式はできないと激しい反発を受けてしまう。ある日、大量の酒を積んだ貨物船が座礁し……。シネマトゥデイより
実話を元にして作られた作品。
本土やノルウェーなど、当時の戦争状況や配給事情、
また世紀の恋、エドワード公爵の逸話も盛り込んでありました。
冒頭の場面で、島の沖合にある岩の説明があります。
この岩が、まさしく島民たちに幸運をもたらしてくれたのです。
ジョセフが大事に育てた娘2人はお年頃で結婚も近く、
自分の元を離れて行ってしまうのではと心配で仕方が無い。
ラッキーだったウィスキー事件の中でも、時折見せるうかない顔がありました。
何故ならウイスキーが手に入るということは娘との別れの意味もあるのです。
また長女の恋人にとっては、ウイスキーが母親の束縛からの解放も示唆している。
島民たちの一人ひとり抱える個人的事情にもウイスキーは大きく関わっているようです。
島民たちの島での生活風景が面白い。
切羽詰っていても安息日には何もしない人たち。
神父の「何時盗むこと無かれ」を善いように解釈するジョセフ
また、どうせ失敗するだろうと予想できる、何故か憎めない大尉も重要人物。
(この俳優さん、特殊メイク無しでもすごい顎のしゃくれよう!)
ツイードの男性は、ちょっと中途半端だったような気がしますが、
盗んだ積み荷がウイスキーだけではインパクトが薄く、
公爵の「世紀の恋」を絡めたようです。
ウィンザー公爵とヒトラーの密会は他の本で読んだことがあります。イギリスでは有名な話なのでしょう。
数々のキャストの中で、私が一番好きなのは、大尉の妻
天然なのか賢いのか、彼女の言動が面白いの~
盗んだウイスキーをあちこちに隠す場面は、予告編でも何回か観ましたが、
ウイスキーを尿瓶に入れて口をつけて飲んでいる老人発見。
岩穴に隠したビンは今でも発見されるそうです。
映画の初めに、政府から預かった爆弾を郵便局で預かる下りがありますが、
この荷物が最後の重要な顛末に関わっています。
島人から煙たがられていた大尉。
結婚式に出られなくて残念だったね。
でも、この人が戻ってくれないと島人たちがただの酔っ払い軍団になってしまいそうで、
またいつか素敵な奥様と共にご帰還をと思いました。
空の青さ、緑の丘陵、それにスコットランドの音楽
のほほ~んと進みながらも、ひとつひとつのセリフは随分考えられたと思います。
無駄がありませんでした。
戦争の影があるとはいえ、ほんわか暖まる作品でした。
ちなみに公式を覗いたら、
積んであったウイスキーは日本でも知名度の高い数々の銘柄の商品だったらしい。
もし私が島民だったら、同じく迷わずに盗みます