わたしは今年度、とある役員をやることになった。

その集まりでのこと、来月に開催される行事の進行表について「質問があるなら聞いて?」と言われた。


 ○時 集合

①○時 3.4年生

②○時 2.5年生

③○時 1.6年生


などのように時間にわけられ、保護者も参加できる児童を楽しませるための行事らしい。

保護者は完全入れ替え制のため、決められた時間に総入れ替えすることになる。

②と③の間には「入れ替えの際の誘導員を配置する」とあったが、①と②の間にはなかったため、それはなぜか?と質問してみた。

すると、質問を受けてくれた方(Aとする)は自分が作成した進行表をジッと見つめた。

Aは進行表を見つめたまま、5分ほど黙ってしまった。

困ったようで、隣の方(Bとする)に助け舟を求めた。

Bが主体となって作成したらしく、ふたりでゴニャゴニャと話した後、Bが「何が気になるの?」と言った。

わたしは、「②と③の間の入れ替え時間にある誘導員の配置されると書いてあるが、①と②の間の入れ替え時間には誘導員がいないようです。

これは、①と②の間には誘導員が必要ないということなのでしょうか?」と尋ねた。

Bは、またしばし黙ったのち、「何を言ってるのかさっぱりわからないんだけど?もう少し詳しく言ったくれる?」と言った。

そんなにわかりにくかったかな…と思ったが、「ここに記載されている箇所に誘導員を配置するなら、こちらにも配置されるのではないか、と思いました。

なぜなら、さきほど、昨年度よりも入れ替え時間が短く設定されているが、児童数が増加していると仰っていました。

そのため、スムーズな入れ替えのためにも誘導員が声かけをして退場口を促す、若しくは委員会のものが立ち、退場口の方向を聞かれたら答えられるような状況にしておくと安心ではないかと思いました」と答えた。

BもAも顔を見合わせ、「何を言ってるんだかわからないけど、誘導員をやるのは我々ではないから誘導員の人向けのお手紙に書いてあるかどうか確認したら?」と言い、Aが誘導する人向けの手紙を確認した。

「保護者を退場口に誘導するって書いてないよ?ちゃんと確認してから発言してくれる?」とBは言ったが、その手紙はわたしには配布されていないものだった。

この手紙も、AとBが作成したものである。

「では、②と③の間の誘導も無しということですね?」と聞き直すと、Bは「さあ?このお手紙は前の人の誰かが作ったものを流用しただけに過ぎないから、ここをどうして書いたかなんて、わたしたちじゃなんとも言えないんだよ?それくらいわかるよね?」と言った。

確かに作成したひとは以前、委員会活動をしていた方かもしれない。

が、それを元に今年度のものとして改訂したのはAとBだ。

もともとあったものを参照して活動するのは理解しているが、本人たちも理解できていない部分を残したまま今年度のものとする意味が理解できなかった。

そして、わからなければ質問して、と言ったのも彼らなのに、質問したこちらが「何を言いたいのかわからない」と一蹴される意味もわからなかった。

詳しく説明してみたが最終的には「来た保護者たちが手紙の隅々まで熟読し、理解すればいい話だから、たとえうまく入れ替えできなかったとしてもわたしたちの責任じゃないよね?」と言った。


わたしは、すべての保護者が学校からの手紙を熟知してるとは思っていない。

学校の構造や配置図も理解できている保護者ばかりとも思っていない。

集合時間と場所はしっかり確認する方は多いだろうが、広い学校の敷地に複数ある門の入退場口を指定された通りに動こうと意気込んでくるものなのだろうか。


そのあとはどう話しても、「間違えた人たちがたくさんいたってそれはお手紙をよく読まなかった保護者が悪いだけでわたしたち委員のせいではないから」だそうで、誘導係がいるかいないかなどということを気にしているわたしがおかしなことを言っている、と言われてしまった。

「ってことだから大丈夫?理解した?」と言われた。

わたしは「大丈夫です。」と答えたが、「ほんとに大丈夫そ?聞きたいことあったらわかるまで確認しないとダメだよー?」と言われたが、「ダイジョウブ」と答える以外の選択肢は見つけられそうになかった。


最後にBは「自分のことだけを考えていればいいんだよ?それで周りがどうなってるとか考えるからおかしなことを言っちゃうんだよ??」と言った。


当日は保護者のボランティアの力を借りて進行するものだから手伝ってくれる方も含めて混乱しないような進行表があれば、と思ったがそうではないらしかった。

昨年度は実は同じような行事でボランティアだけに任せた箇所が大混乱し、ボランティアのひとりが保護者に責め立てられ泣いてしまったそうだ。

そんなこともあってか、スムーズな進行ができれば、保護者も委員もボランティアもみんなが気持ちよく参加できるものになるのではないか、と思ったのだが、自分のポジションと言われたところ以外の箇所について質問するそのこと自体が「変なところを気にする」というふうに捉えられてしまった。


働いているときは、現場責任者を任されていたこともあり、全体を見ながらみんなに協力してもらいながら日々の業務に取り組んでいた。

10代のアルバイトから50代のベテランパートまで仲良く働くことができた。

面倒なクレーム対応はすべてわたしが受けた。

その時のわたしは、20歳だったが、職場には仲良くしてくれる方がほとんどだったし、みんなとても協力してくれたし、いつもありがとうとたくさん言ってくれた。


あるひとりの方からは嫌われていたと思う。

勤続年数の長いパートだったが、「自分の方が長く働いているのになんであなたが責任者なの?」とストレートに言われ、周りから見てもとてもわかりやすいオーソドックスなイジメを受けた。

わたしがなりたくてなったわけではない。

わたしの勤務条件がちょうどよかったにすぎない。

突然、上司から任命された。

断ったが、受けてくれないと困る、と言われ受けることにした。

後から聞いた話だが、わたしをイジメてきた方は他の職場でも新人いじめを繰り返し、何度も異動をさせられてきた方だった。

イジメで異動になった方ということは伏せられていたが、最初から怖い雰囲気の方だとは思っていた。


今回のやりとりからも、Bの雰囲気は、このイジメをしてきた方ととても似ていると思った。

他人のことなんかより自分のことを考えていればいい。

そうはっきりと宣言したことで、わたしが苦手とするタイプの人だと言うことを理解した。


1年間、委員会活動をしなければいけないが、「質問して?」などと言われてももう2度と何も聞くまい、と心に誓った。