子供が幼稚園ごろまでは、早寝早起き、外遊びや子供同士の遊びの約束は親同士で決める、など、なんとなく同じような生活スタイルの家庭が多かったように思う。

遊ばなくなっていく子のなかの多くは、生活リズムが合わなくなったパターンもある。


例えば我が家は、ゲームは夕飯まで、寝る時間は9時ごろと決まっている。

幼稚園の頃よりは多少ゆるくなったが、いまだにこのリズムは守るようにしている。

しかし、周りの話を聞いてみると、寝る時間がそもそも違うことに驚く。

休みの日は夜12時ごろ、学校がある日は夜11時ごろだという。

我が家の子供たちがそんな遅くまで起きている日々を過ごしていたら、疲れが取りきれず、昼間の行動が落ち着かなくなってしまうだろうな、と思った。

時々、レジャーなどの際は夜遅くまで起きていることもあるが、翌日は9時より早くに眠くなるし、昼間もなんだかふわふわとした動きが多くなり注意散漫だと感じる場面も増える。

特に長男は、しっかり睡眠をとらなかったり、疲れを溜め込むと、落ち着きのない行動の増える子なので、連日遊び歩かない、夜更かしはなるべくしないように気をつけることで安定した生活を送れるようになった。


夜更かしをすると、翌日は起きるのが遅くなる。

起きるのが遅いと、急かされて支度をすることもある。

急かされると慌てて失敗しやすくなる長男には、ゆとりを持って行動させるためにも、早寝を心がけることはとても大切なことなのだ。


普通の子は、きっと違うのだろうな。


あちこちに、ふつうとは違うのだろうな、と感じることが散りばめられている。

なんということのない些細なことなのに。


我が家はお友達と遊ぶのは5時ごろまで、と決めているが、3年生にもなるともっと遅くまで遊んでいる子の方が多い。

親も自由度があがり、7時頃から集まり、お酒を飲み、日付が変わる頃に帰るなんてことも当然あるらしい。

親を伴いお友達の家にお邪魔すると、夜遅くまで遊べると子供も喜ぶのだそうだ。

夕飯前に帰宅する、幼稚園の頃と変わらない遊び方をする我が家と遊んでも、きっと盛り上がりに欠けるしつまらないのだろうな。と思った。


しかし、子供の成長の仕方はそれぞれなのだから、今の我が家に日付が変わるまで遊び、翌日に学校に行くことは難しいと思う。

行けたとしても、いつもではイライラしないことでも余裕がなくなりトラブルの元になることは想像にたやすい。


友達と大いに盛り上がる陽キャに育てるためには、ルールなどなく、ハメを外して盛り上がれる場に積極的に参加すべきなのだろうが…

スローペースな我が家が、そうした生活スタイルに合わせていけるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。


情報の溢れている場が苦手だった長男が、落ち着きのない子供だったことを「親がお出かけ慣れさせていないから」と言われたことを思い出す。

連日お出かけしまくっても大丈夫だった家の子供たちは、いまや日付が変わるまで遊んでも平気なのだというからまるで別の世界の話のようでもある。



でも、そうして我が家より楽しいことをたくさんさせ、たくさん美味しいものを食べ、たくさんのお友達に囲まれ、たくさんのレジャーに連れ出し、たくさんのプレゼントやお金をもらっているのに、子供が親とまともに会話をしない、常に反抗的だとママさんたちは言う。

でも、それでももういいのだ、と言った。


子供の人生だから、自分には関係ないのだと、と。


幼稚園のころはすこし転んだだけで病院に連れていなければ!と顔面蒼白になっていたママさんは、たった数年で、子供に対して「特に親が何かしなければいけないことはない」と言うようになっていた。




わたしは、まだ子供のために、子供が大人になったときに困らないために、受け答えの仕方や、一般的なマナー、がんばるところはがんばらなければいけないことなど、たくさんのことを教えたいと思っている。

過保護だと思うけれど。

ママさんたちは、「どんどん他人に叱られて、子供が懲りれば学ぶんじゃない?」というスタンスだ。

そもそもの考えかたが違ったことに今さら気づいた。


そりゃ、いろいろなことが噛み合わなくなっていくよなぁ…なんて、思った。



子供の友達は、子供が見つけてくればいい。


人に対して誠実であってほしい。

そして、心根が誠実なひとと巡り合って欲しい。


だからこれでいいのだと思う。