長男のお友達が遊びにきた日のこと。

お友達が帰ると、長男がすぐに掃除機を持って部屋にきて!と呼びにきた。

どうしたの?と尋ねると、「○○くんたち、ポテチを食べてたんだけど、すごい食べカスを落としてたんだ…!」と言う。

掃除機を持って部屋へ行くと、確かに大量のお菓子のカスとお菓子のゴミが散乱していた。

「これでもちょっと拾って捨てたんだけど、綺麗にならないと思って…」と長男は言った。


普段、口うるさく「ゴミはゴミ箱捨てること」「食べ物をこぼさずに食べられるように気をつけること」などと注意することが多い。

子供たちは、「あとでやるよ」などと言い返してくることもあるが、お友達がボロボロと食べこぼしながら食べ、お菓子のゴミを違ってばら撒いて放置する様子を見て、「どうしよう…」と思ったらしい。

「お母さんが普段、うるさく注意する意味がわかったよ」と長男は言った。


わたしがうるさく注意する理由は、よその家に遊びに行った時にお邪魔した家に迷惑をかけないように、と最低限のマナーを守らせたいという思いがあるからだ。


掃除機をかけ終え、「さぁ、散らかった部屋を片付けようか」と声をかけると、長男は「えー…」と不満げな声を上げた。

部屋一面に散らかった大量のおもちゃの数々をみて、めんどくさいと思ったららしい。

「ぼくはおもちゃをだしてなし、遊んでないよ。

次男くんが△△くんと遊んでたんだよ?」と長男は抗議の声を上げた。


気持ちはわかる。

わかるけれど、みんなで協力して片付けよう。

自分も手伝ってもらうこともあるだろうし。

お母さんも手伝うから。


と声をかけて一緒にかたづけることになった。


「お母さんがおもちゃは片付けて帰ろうね、って声をかけてくる理由もわかったよ。

遊んだらお片付けして帰る。結構大事なことなんだなって思った」と長男は言った。


小さいころからうるさいと思われるくらい、注意を促してきた意味を理解したらしい。


「あ、○○くんの忘れ物だ」

片付けを進めていくと、お友達の忘れ物が出てきた。

片付けをして帰る意味は、忘れ物を防ぐ意味もある。


○○くんも習い事があって急いで帰って行ったから、仕方ないよ。

今度届けに行ってあげようね。

と声をかけると、「そうだね。そういう時もあるよね」と返ってきた。



幼児の頃には見えなかった考え方の違いも、子供の年齢があがるにつれて少しずつ違いがわかるようになっていくのかもしれない。

子供自身が、これはよくないことなんだな、と感じ、お友達の家にお邪魔したときにマナーを守って過ごせたらいいと思う。

子供を遊びに行かせてもらうだけでは分からない。

家に遊びにきてもらうことで、子供自身がおや?と感じることもあるだろう。

なぜ、わたしがゴミはゴミ箱に捨てなさい、と注意をするのか。

おやつは食べこぼさないように気をつけて食べなさい、と注意するのか。

立ち歩きながら食べては行けないと言われるのか。


長男は、3年生になり、親の促してきた注意の理由が理解できてきている。


例えば、家に遊びにきたお友達がベッドの上で寝転びながらポテトチップスを食べこぼしながら食べていたら、「イヤだな」と感じる人もいると思うし、気にしない人もいると思う。

良いか悪いかと問われたら、ひとの寝る布団の上で食べ物をこぼしながら食べる行為は、わたしはいいとは思わない。


小さな子供だから、と許されていたことでも子供はそのうち大人になる。

大人になった時に、どんな大人になりたいか。

子供たちにイメージしてもらいながら自分の行動を決めて行ってもらえたらいいなと思う。



わたしは子供が遊びに来てこうしたことがあっても「あの子を呼ばないでね」などとは言わないし、呼んでほしくない、とも思わないけれど。


子供たちがもう少し大きくなってきたら掃除機も子供自身にかけさせるつもりだ。

きっとそこから学ぶこともあると思う。


大人になったときに、恥ずかしくない程度の立ち振る舞いができる人になってくれたら、と思う。