我が家は、子供たちに泳ぎを教えるために定期的に温水プールに行っている。

長男はヘルパーなしで自信を持って泳げるようになってきていて、早く泳げるようになるコツやフォームの確認などを指示するとそれを試せるようになってきた。

基礎が大切だと思うので、まだきちんとした泳法を教え込んでおらず、背泳ぎとバタ足を中心に、とにかく体幹と足の使い方などを徹底している段階だ。

先取りしたがりの長男は、勝手にクロールや平泳ぎをしようとしたり、クイックターンの練習をしたりしているが、わたしはまだそこまで求めていない。

はやる気持ちを抑えてもらおうと、一緒に泳いで基礎を教える。

といっても、わたしも小学校低学年の時に2年ほどスイミングスクールに通った程度なので大したことは教えてあげられているわけではないが、学校の水泳の授業はフリーで泳いでいていいよ、と言われるくらいには泳げていると思う。(25年以上ぶりに泳いだが、泳ぎも忘れないらしい。体力も筋力も衰えまくってはいるが。)


次男は、まだプールの底にギリギリ足がつくかどうか、というところなので、安全を確保するために夫も連れて行く。



問題は、このプールの後。

更衣室での出来事だ。

わたしは女子更衣室でひとりで着替える。

次男は、幼稚園に上がったあたりから男子トイレ、男子更衣室、男風呂を使いたがる子だったので、必然的に夫に託すことになる。

長男も年中ごろからは男用の施設を使いたがっていたので、夫にも経験値が溜まっているはず。

夫に任せても大丈夫だろう。

そう思っていた。


しかし、家に帰って濡れた水着を洗濯していたところ、見覚えのない水着が紛れていた。


夫は、「誰だよ!人の水着を持って帰ってきたひと!!」と怒り心頭だ。


実は前回も、誰のかわからないゴーグルを持ち帰ってきた。

これで2回連続だったりする。

しかも今回は、前回の失敗を生かし、子供のものも大人のものも一つのポリ袋にまとめて持ち帰ろう、としたのに、だ。

(前回は子供ひとりにひとつ、ポリ袋を持たせていたので子供のせいだ、と言い張っていた)

今回はポリ袋を管理していたのは夫。

わたしは水着を脱ぐときはロッカーの持ち手にポリ袋を掛け、脱いだらすぐにしまうようにしている。

女子水着は複数パーツに分かれていることもあるし、帽子やゴーグルなどを床に置いたらほかの人と混ざってしまう危険を回避するためだ。

その話をしたところ、夫は「なんていいアイデアなんだ!」と言っていたのに、また今回もひと様の荷物を持ち帰ってしまった。。


夫の言い分

男子更衣室は混んでいた。超混んでる。人がひしめき合ってる。ぎゅうぎゅうだった。

脱いだ水着は近くの床にポイポイ置いた。が、なんとなくみんなでまとめていたらと思う。

そっちは1人だけど、こっちは3人。失敗したって仕方ない。


わたしの言い分

女子更衣室だって恐らく同じくらいはいるのではないか、と思う。(プールを利用している層をみている感じから男女半々)

女子更衣室の方が小さなお子さんを連れている人が多く、うろちょろするような小さな子供が複数いて荷物を蹴られる可能性もある。(批判する意図は一切ありません。)

そうした子もいることから、自分のものが紛れないように、とわたしは脱いだものはすぐにポリ袋に入れている。それは、大人だから小さな子がいても自分で対処すればいいと思っているから自主的にそうしている。


夫の言い分②

男子更衣室は女子更衣室の比じゃないくらい混んでたんじゃない!?

とにかく着替えを確認する余裕なんてない。

わたしが先に着替えて外で待ってるかもしれない、と焦る。

子供が先に着替え終わるから焦る。

忘れ物がないか、間違えてないかなんて確認する余裕は一切ない。

そんなにいうんなら、男子更衣室まできて確認しに来てよ!


などと無茶苦茶なことを主張した。


床に置くのもいい。

でも、ポリ袋に入れる時に確認しながら入れる。

子供が先に着替えて先に更衣室から出ていってしまう問題は、更衣室の入り口で待っていてね、と声をかければ済む。

わたしが先に着替えて待っているかもしれない。

待つことで急かしたこともなければ責めたこともない。

わたしはドライヤーをかけてから出るのだから男子チームと時間が前後するのは仕方がないと思っていて欲しい。


時間はかかってもよいこと。

だって、そのあとの予定は何もなく、帰るだけなのだから焦る必要はない。

とにかく荷物の間違えには気をつけてほしい。

男子更衣室に確認することはわたしにはできないし、子供たちを女子更衣室に連れて行くこともできない。

更衣室から出て行ってしまうと言っても、子供たちはいつも更衣室の前で待っているのだから、焦っているのはあなた1人だということ。


それを淡々と伝えると、夫は「はいはい!わかりましたよ!!!!どうせオレが悪いんだろ!!!」とキレてしまった。


キレたところで、間違えて持ち帰ってしまいましたと施設に連絡をして謝るのはわたし。施設に持って行って謝罪するのもわたしだ。

夫というひとは、ひとりっ子育ちというのもあってか、自分以外のひとのフォローがとにかく苦手で、焦って混乱しがちだ。(一人っ子だからというよりも、下のきょうだいのことを気にかけることがあれば、成長したのかもしれない部分がまったく伸びずに大人になってしまった、と言った方が近い)


次男は、慎重派なところがあるので、自分の着替えなどは自分で管理したがる。

長男は、自分よりうえの人やできそうな人に頼りがち。


性格は、次男はわたしに似ていて、長男はわたしに似ている。


こうなったら申し訳ないが次男を頼るしかない。

わたしは、次男にこの状況を打開すべく話を聞かせてもらうことにした。


次男の言い分

男子更衣室は10人くらいでそんなに混んでない。

ぼくは自分が脱いだ水着は脱いだら自分でポリ袋に入れた。

お父さんは脱いだら床にポイってしていた。

長男くんは、脱いだらお父さんに渡していた。(そのあと恐らく夫が床にポイってしたと思われる。)



…年長さんとは思えないほどよく覚えているな。と感心してしまった。

夫に尋ねたが「そんなのわかるわけない!」と叫んだことを全て教えてくれた。


次男に、ほかの子の水着を持ち帰ってきてしまったことを話すと、「え!?また!!!??」と驚いた。


次男を頼りにして申し訳ないのだけど…

水着は脱いだらすぐにポリ袋に入れてね、って脱いだ時に声をかけて欲しいこと。

床に置いてまとめて片付けるなら、入れる時に1枚ずつ次男が確認して欲しいこと。

お父さんをフォローしてあげて欲しいこと。

などをお願いした。

次男は、


「うーん。それはいいけど、お父さん、ぼくの話を怒らないで聞いてくれるかなぁ…うーん


「ぼくがなんかいうと、ハイハイハイ!いいから!早く!って言われたら、ぼくは何もいいたくなくなるからね?それでもいいなら、次は気をつけてみてあげるけど…無理かもしれないよ?うーん


無理かもしれない。

でも、次もプールに行くまでにもう一回お父さんに話しておくから…!

それで次男が声をかけたりして、お父さんが怒っても次男のせいには絶対にしないし、させないから…!

お願いします滝汗


と頼み込んだ。


「まぁ、人のもの、持って帰ってきちゃうの、ヤバすぎでしょ…

わかったよ、言うだけ言ってみるね。

期待しないでね」

と次男は言った。



次男はまだ年長だというのにこんな感じで達観していると思う。


わたしがひとりで対応できればいいのに、と思うことばかりだ。

でも、子供は男の子。

公共の場では、夫にみてもらわなければならないこともある。

子供だけで習い事に行っているが、そこでは人のものを持ち帰ってしまったりしたことはない。

誰かに持って行かれてしまったことが何度かある。

その事実も夫のプライドも傷つけるらしかった。


オレがいない方が、こういう事件起きないんじゃない?と言うが、多分、それはそうだと思う。

そうだとは思うが、夫にはうっかり八兵衛が住んでいると思って、ウッカリしないように気をつけてもらうほかない。




男子更衣室までフォローにきてよ

なんて無茶苦茶言われて、一周まわっておもしろいな、と思って笑ってしまったが、「そうやって余裕があるのもムカつく!」なんて言われてしまった。

責めてもダメ

笑い飛ばしてもダメ

きっと、夫も生きづらい子だったんだろうなぁ、なんて思ったり…。