わたしは今年度、学校のとあるお手伝いをすることになった。
誰もやりたがるひとがいない。
決まらないと困る。
という話だったので、子供の円滑な学校生活のためになるなら、と引き受けることにした。
子供がお世話になっている学校が少しでも助かるならという気持ちなので、仕事、とまではいかないが、友達と楽しくウキウキ企画しようッ⭐︎みたいなテンションではないことだけは確かだ。
そんなこんで保護者たちの集まりがあった。
まず自己紹介が始まる。
当たり前の流れだ。
が、そのあとの展開に驚くことになる。
「下の名前+ちゃん呼びをする決まりだから、全員統一してねッ⭐︎」と呼びかける人物がいた。
…は?
え…?
なにそれ。
聞いてないんだけど…?
そういうノリが好きなひともいれば、苦手なひともいる。
もちろん陰キャなわたしは後者だ。
今、仲良くしている付き合いの長くなったママ友たちだって、「名前+さん」呼びが精一杯だ。
基本的に「○○くん、ちゃんのママさん」とか、「名字+さん」で呼ぶようにしているし、丁寧語を心がけている。
それでいままだ問題はなかったのに、親しく(なるかもわからない)ひとを初対面から「名前+ちゃん呼び」と「友達口調」で話すことを課せられた。
「めぇこちゃん、でいい?」
あ、は、ハイ(←マジでリアルでこんな顔をしていた自信がある)
「めーちゃん、でもいいけど?」
い、いや、名前で、大丈夫、です…💦
めちゃくちゃどもってしまった…恥。
仕事のつもりだと思って割り切るかー、という気分だったのに、とんでもない場所に迷い込んでしまった感がすごかった。
昨今の子供の教育方針は「多様性」が求められているこの令和の時代に、「呼び名を固定される(名前+ちゃん呼び)」とは思っても見なかった。
周りはわたしを含めて40歳以上の方が集まっている。
わたしなんぞ、くたびれたオバさんだ。
「名字+さん付け」がいいです…!!だって仲の良い友達でもなんでもないよ…!
学生なら、わかる。
そうすることで一気に仲良くなれそうな気がする!
子供がそういう話をしてきたら、「いいね!!」ってニッコリできる。
最近では子供にだって「苗字+さん」で呼ぶように指導しているこの令和時代。
親が、学校のお手伝いをするために集まっただけの寄せ集め(言い方よ)集団が、はじめまして、で「友達口調」で馴れ馴れしく絡むことなんて、この陰キャなわたしにはめちゃくちゃハードルが高い。高すぎる。
こちとら本気の陰キャなのだ。
できたら家から一歩も出たくない(引きこもり予備軍)。
そんなわたしが、こんなパリピ(死語)集団に紛れることが不安で仕方がない。
いわば、仕事が決まって初出勤したら、「この会社は全員が名前+ちゃん呼びで、友達口調を使って仕事する職場だからよろしく!」って言われたらようなものだ。
居酒屋のようにニックネームのネームプレート下げて働いているところならわかる。
その覚悟を持って働きたい、と思う人が集まるからこそ、あの楽しげな雰囲気が出せるのだろう。
わたしはニックネーム呼び居酒屋では働かない自信があるので絶対避けるタイプ。
そういうのがやりたい人がやったほうが絶対盛り上がるし楽しくなると思う。
いわゆる、適材適所というやつだ。
友達ないないわたしに、このノリノリな感じはつらい。
ぞわり、と背筋の毛穴が開くのを感じた。
誰もやりたがらない、と言っていたが、このノリを知っていたらわたしだって断固断っていた自信がある。
この雰囲気、わたしには荷が重い。
そうして、フレンドリーであることを周囲に知らしめるような雰囲気は、より閉鎖的な場であるように感じさせているような気がしてならない。
「なんかー、あのひとたちー、仲良さそうだよねー」「うんうん、入れないよねー」みたいなやつだ。
いままでそうした集団に身を置いたことなどなかったのに、とんでもないことになってしまった。
…うまくやれる気がしない。
仕事はやります。はい。