死刑囚の理髪係 | 土曜の夜ならいいですよ∞本と映画と戯言と(終活日記)

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日々思うこと、昔話、いろいろ綴ります。


YouTubeの番組、丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニーでこの著者のことを知り、普段は文庫本しか読まないのに買ってしまった。
自身も収監の身でありながら、美容師をしていたので東京拘置所の理髪係にされる。
拘置所や刑務所での理髪や食事の準備など様々なことは、囚人でない一般人が公務員や準公務員として働いていると思っていたが、全部、囚人の仕事なのに驚くのが第一歩。
そういう役割を担わされる囚人は、エリートといえばエリートなのだろう。東京拘置所には死刑囚がいる。
死刑を待つ人たちがいる。死刑囚を理髪するにあたり、他の収監されている人々とは対応の仕方も違う。
死刑囚は一筋縄ではいかない。それはいつ死刑になるか分からない中で生きている人だから。悟ったような人もいれば、荒くれ、狂人のような人もいる。
また、死刑が執行される前に病死や自殺してしまうケースもある。
これは、被害者にとっては納得できないことだろう。
大臣が収監されたら特別扱い。それでいいのか?
いろんな人間模様。
読みやすく、よくできた本だが、著者が自ら書き上げたとは思えない。口述筆記なのだろうか。
編集人の苦労も感じられる。
でも、読んでみてよかった。