「トンソン荘事件の記録」。。。 | 怒りくまのブログ(仮)

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気が向いた時、だらだら書いてます
一部、ネタバレもあるのでご注意を

今月のリリース作品で最初に観たのはコチラ

 

【トンソン荘事件の記録】

 

2019年、ある寺に放置された車両の中から

未編集の"記録映像"が発見されて警察が押収

映像の撮影者が所属していた映像制作会社は

その映像をあらゆる手段を使い警察から回収

撮影された映像を編集し上映する事を決めた

なんて始まるこのフェイクドキュメンタリー

 

とある"噂"に興味を持った女性記者のホンが

取材を進めている様子から映像は始まります

1992年、釜山の寂れた旅館"トンソン荘"で

アルバイトの青年が恋人を呼び出して殺害し

その時の様子を撮影した猟奇殺人事件が発生

ところが検察は撮影された映像をひた隠しに

"幽霊が映っていたから"だと噂されて。。。

 

(当時を知る検事にも取材)

 

しかし肝心の映像は保存期限が過ぎ処分され

取材に行き詰まったホンは先輩のキムに相談

映像制作会社に所属し監督をしているキムは

"ドキュメンタリー"として取材の撮影を開始

今は亡き担当検事の実家を訪ねたキムたちは

検事の母に案内された物置で遺品に埋もれた

事件資料と映像を収めたビデオテープを発見

 

(遂に映像を確認できるのか)

 

噂では原本は何故かダビングする事ができず

そのためかビデオテープに収められた映像は

テレビに映った原本の映像を撮影したもので

鑑賞している刑事たちの声も収められていた

映像はアルバイトの青年が恋人を部屋に招き

彼女を殺害した直後までが収録されていたが

殺害後に部屋を出入りする青年の背後の鏡に

 

(人影のような物が)

 

(学生帽?)

 

逮捕後に青年は殺さなければ殺されたと証言

心神耗弱状態を訴えたが無期懲役を求刑され

その後、仮釈放されて一年後に自殺したとか

被害女性の家族はに取材拒否されたキムたち

事件現場となった釜山のトンソン荘へ行くと

他の部屋は日雇い労働者たちが宿泊する一方

現場の部屋は封じられ当時まま残されていた

 

(あの映像とほとんど同じ)

 

取材を進めたキムたちは意外な話を耳にする

トンソン荘の"主人"は元々他に住んでいたが

そこは元日本人たちの墓地だった曰く付きで

何人かが命を落とす悲しい事件が起きたため

その土地を売りこの地で旅館業を始めたとか

どんな事件だったのか調べていたホンたちは

1987年に起きた事件の古い新聞記事を発見

"長男のチョ・ギョンホが母と妹を殺害した"

 

(母と妹を殺害後自分は焼身自殺したと)

 

そこでトンソン荘の最上階に今も住んでいる

主人のチョ・ヨンテに会い取材するキムたち

まずは忌まわしい過去の事件の話を聞く事に

かつてあの家で使用人をしていたという主人

チョ・ギョンホは普通でなはい青年だった事

彼の父は事件が起きる前に亡くなっていた事

家を相続した経緯について親戚だからと語り

 

(トンソン荘主人のチョ・ヨンテ)

 

ここで、これまで判明した実を整理する事に

チョ・ギョンホの父はベトナム戦争に従軍し

帰国後に精神を病み福祉施設に入居後に死亡

残されたチョ・ギョンホは母と妹を殺害して

自分も焼身自殺。。。親戚のチョ・ヨンテは

一家の家を相続したが不気味だと売り払って

そのお金で釜山で旅館トンソン荘を始めたと

 

(二つの事件には繋がりが?)

 

忌まわしい事件が全てのきっかけと推測して

キムたちは今は廃屋となった事件現場の家へ

周辺を取材すると廃屋では心霊現象が多発し

青年の姿を見た話しや女性の声を聞いた話も

そんな忌み嫌われている家に入ったキムたち

人が出入りした形跡もないボロボロの屋内で

チョ・ギョンホの写真を見つけて驚愕。。。

 

(この姿はまるで。。。)

 

鏡に映っていた人影は"学生帽"を被っていた

もしかしてあれはチョ・ギョンホの幽霊か?

ではどうして青年の霊はトンソン荘にいた?

それからもチョ・ギョンホ一家の調査を続け

妹のチョ・ウンミの友人だった女性に取材し

事件直前にウンミの"父"に会った証言を得る

更に不気味な集合写真の話を聞かされ。。。

 

(上段でひとり横を向くチョ・ウンミ)

 

ウンミは何を見たのか?何を見ているのか?

彼女が"お父さん"と呼んでいた男は何者か?

そこでキムたちは事件の第一発見者を訪ねる

しかし女性は高齢で話をできる状態ではなく

事件の話を聞いたという義理の娘が代わりに

女性が現場で見知らぬ男と出会ったという話

その場から逃げ去った男の話を聞く事ができ

 

(え?旅館。。。)

 

"逃げた男"は使用人だったチョ・ヨンテか?

ウンミの友人が父だと思っているのも彼か?

そこで当時あの事件を担当した刑事を取材し

事件の裏に隠れた複雑な人間関係を知る事に

 

チョ・ギョンホの父であるチョ・ビョンソン

彼が妻と息子を残し出兵し家を空けている間

ビョンソンの弟チョ・ヨンテが家に住み込み

義理の姉ビョンソンの妻と男女の関係となり

そして産まれたのが。。。あのチョ・ウンミ

 

複雑な関係にとある疑問が浮かんだキムたち

チョ・ギョンホが母と妹を殺したのではなく

もしかしたらチョ・ヨンテが犯人なのでは?

ところが彼は資産がありお金に困る事はなく

実の娘を殺すはずがないと刑事は告げ。。。

そんな中でビデオを解析していたスタッフが

あのシーンに収録されていた"声"を見つける

 

(学生帽の霊の声?)

 

他にも解析不能の音が収録されていると判明

更にスタッフたちの周囲では怪奇現象が頻発

一方、廃屋で"祈祷"を行った祈祷師がいると

噂を耳にしたキムたちはその祈祷師に接触し

あの廃屋で起きた事件を取材撮影している事

怪奇現象が起きている事をありていに伝える

すると取材映像を見てホンが危険だと。。。

 

(赤子?)

 

その日、取材陣と同行していなかったホンは

"インフルエンザ"により入院しているらしく

深夜になり再び祈祷を行う祈祷師に付き従い

廃屋に入ったキムたちはその一部始終を撮影

ニワトリの生き血を顔に塗り祈祷を始めたが

祈祷師の様子が次第に変化し何かに怯えだし

外でした音に飛び出すキムたちは人影を目撃

 

(得体の知れない何かを目撃)

 

目にしたものはいったい何者で何だったのか

ここで別視点から事件を見つめ直すキムたち

もし学生帽の霊がチョ・ギョンホであるなら

"父さん"と呼んだ相手はチョ・ビョンソン?

その足取りを調査すると驚くべき事実が判明

チョ・ビョンソンが入所した施設は既に閉所

それも彼は行方不明で生死すらも不明。。。

 

(容疑者がまたひとり。。。)

 

更に彼や入所した施設の調査を進めてゆくと

施設内では日常的に暴力事件が起きていた事

行方不明になる直前にも一度施設から脱走し

警察に逮捕されたことが分かり資料の写真は

何かで負傷したのか?手に怪我をしているが

その容姿は弟であるチョ・ヨンテに瓜二つで

二人の誕生日がまったく同じなのにも気づき

 

(二人はまさか。。。双子?)

 

その頃、映像制作会社に何者かが侵入し放火

幸いにもボヤ程度の被害だけで済んだ一方で

入院していたホンが行方不明と知らせが入り

痕跡を辿るキムたちが向かった先はあの廃屋

何かを探すよう地面を素手で掘る彼女を保護

ホンを心配するキムは祈祷師にお祓いを依頼

彼女に取り憑いた"何か"を祓う祈祷が始まる

 

(祝詞を唱え力づくで押さえつけ)

 

(桶に満たした水に沈め)

 

泣き、叫び、悶絶する"何か"を追い詰めると

「熱い!熱い!」と全身をかきむしり苦しみ

取り憑いているのが"チョ・ギョンホ"と理解

誰がそんな事をしたのかと問いかける祈祷師

するとヨロヨロとした足取りで歩き出すホン

廃屋に入った彼女をカメラを手にキムも追い

屋根裏に登る階段で映り込んだものは。。。

 

(チョ・ギョンホか?)

 

それに気づかないキムは屋根裏でホンを発見

彼女が手にしていたのは古びた"家族"の写真

ギョンホ、ウンミ、二人の母と共に写るのは

瓜二つの顔をしたビョンソン、ヨンテ。。。

1987年5月4日"父さんが来た日"そう書かれ

ビョンソンが消えたのは1987年5月3日

傷ましい事件が起きたのは1987年5月5日

あの日あの時あの場所には家族が揃っていた

 

(本当の家族写真)

 

ここで警察が行った事情聴取の音声が流れる

事件当時の担当刑事が記録していたその音声

名前を聞かれ男性の声で"ヨンテ"と答えるが

何故か"住民登録番号"は忘れたと答えられず

すると刑事は「手の怪我はどうした」と質問

手に怪我をしているのは"ビョンソン"では?

キムたちは撮ったチョ・ヨンテの映像を確認

 

(右手には古傷が)

 

あの廃屋で起きたいたましい事件を境にして

"双子"のビョンソンとヨンテは入れ替わった

だから学生帽のあの幽霊は"父さん"と呼んだ

数奇な過去を持つ家族の真相が判明する一方

ホンが再びギョンホに取り憑かれ消息不明に

彼女の部屋に駆けつけたキムたちが見たのは

大量の血痕。。。そして防犯カメラに映った

 

(ホンの姿)

 

部屋の壁や天井は"瘴気"でドス黒く染まって

しかし肝心のホンの姿はそこにはなく。。。

0時を過ぎ事件の起きたのと同じ日付となり

ふとキムはトンソン荘の事件の事を思い出す

犯人の青年は"取り憑かれた"ようにも見えた

 

ここであの"事件を録画した映像"が流れます

特におかしな様子の見えなかった犯人の青年

映像にノイズが走ると豹変し体をかきむしる

それはまるで取り憑かれたホンと同じ。。。

すると恋人を殺した青年はギョンホのように

父と観た思い出の映画の事を繰り返し語って

 

(やはり取り憑かれたのか?)

 

ギョンホの憎しみや怨みはそこまで深いのか

一方、青年が捕まった寺に目星を付けたキム

スタッフたちとその寺の近くまで辿り着くが

そこでビョンソンが彼らに助けを求めてくる

何故?どうして?驚くまもなくホンが現れて

撮影していたキムたちを無差別に襲いかかり

スタッフたちは散り散りに暗闇を逃げ惑って

 

(常軌を逸した状態のホン)

 

次々とスタッフたちが血祭りにあげられる中

何が起きたか分からずにとにかく逃げたキム

寺の奥にある薄暗い祈祷所の中へと逃げ込み

周囲の壁には亡くなった方々の遺影が並んで

そこには廃屋で亡くなったチョ一家の写真も

薄気味の悪い祈祷所で震え周囲を見渡すキム

するとそんな暗がりに潜んでいたのは。。。

 

(血にまみれたホン)

 

すると周囲の遺影がバラバラと地面に落ちて

驚いたキムに包丁を握ったホンが飛び掛かり

逃げたキムだが転倒しカメラを落とし。。。

レンズが割れて壊れかけたカメラが映す映像

ずっと庭で待っていたのに

どうして来てくれなかった

ホンに取り憑いたギョンホの吐く言葉なのか

父に対してか?怨みごとを呟くと誰かを刺す

 

(刺された相手はビョンソン)

 

キムたちが撮影した映像はここまでで途切れ

ここからは寺での一件後の映像が始まります

あの廃屋は国の管理下に置かれ解体されるが

解体現場で"チョ・ヨンテ"の死体が見つかる

警察の捜査で全貌がこの事件の明らかとなり

"チョ・ビョンソン"は自宅に戻り家族を殺害

事件後は弟と入れ替わり生活していたと判明

そのチョ・ビョンソンの死体が寺で発見され

彼は毎年息子の命日に寺を訪れ祈っていたと

ビョンソンがあの場所にいたのはそれが理由

現場で逮捕されたホンは無罪を主張している

 

(当時の記憶が無いと。。。)

 

一方で映像を撮影したキムは行方不明となり

警察は彼の行方を今も探して追いかけている

 

ここからエンドクレジットが始まるのですが

その合間に本編には無い部分の映像が流れる

ビデオテープの取材を進めていたホンの元に

今は亡き担当検事の母が探してくれたのか?

見つかった原本のビデオテープが届けられる

 

(彼女はそれを観ていたのか)

 

ホンが取り憑かれたのは"原本"を見たから?

呪いのビデオを見た者に"呪い"が伝播。。。

そういえば消えたキムはホンの家に行った際

再生されていたテープを見ていたような気も

彼は今どこに?呪いのビデオの行方はどこ?

で、エンドロールへ

 

猟奇殺人を撮影した映像に幽霊が映っている

そんな"都市伝説"的な噂の真相を探るうちに

ズブズブと呪いの沼にはまって足をとられて

木乃伊取りが木乃伊になる?みたいな感じで

ゾッとさせられるフェイクドキュメンタリー

 

いや、やっぱり韓国ホラーの本気は怖いです

テーマや演出はかつての邦画ホラーに近くて

アレ?なんて思ってしまう部分もありますが

それでも祈祷や寺の奥にある祈祷所なんかは

独自の雰囲気というか?とにかく薄気味悪く

目に見えての"怪異"なんかはほぼ映らずとも

しっかり怖くて震え上がらせてもらえました

 

話の大筋は見せ方の影響か?ちょっと複雑で

最初は分かりにくくピンときませんでしたが

そこそこ早い段階で双子や入れ替わりなどの

トリック?真実に気づく事ができるのもあり

それを物足りないと感じるかよしと思うかは

ちょっと観る人次第で感想は変わりそうです

私としては程よい謎めきに感じましたけどね

 

一方で陰惨な描写などはほとんど描かれずに

あっても血みどろ程度でグロさは皆無。。。

怪異もワッ!と脅かすような演出がメインで

そういう意味での"怖さ"は少し味気ないかも

とはえいそれを補って余りあるほどの恐怖!

不気味でなんとも"嫌"な作品でした(*^^)v

どうしてもフェイクドキュメンタリーのため

独特で違和感を感じる方もいると思いますが

オススメなので気になった方はぜひ一度です

評価は大きく分かれちゃいそうですけどね!