まだ宇宙が、
まだ静かで暗かったころ。
星々のあいだには、
三つの流れがありました。
古い星々の知恵を預かる流れ。
旅人アヌンナキ。
未来のほうから光の風を送る流れ。
エササニ。
まだ名前もない小さな青い星の輝き、
地球。
アヌンナキは宇宙を
見回す役目。
どの星にどんな生命の種をまくか。
文明をどこまで成長させるか。
アヌンナキの長老が、地球を指さし、
「この星は土がよく歌う。
ここに“自由に選ぶ心”を育てよう」
けれどその計画には、
「未来からの風」がどうしても必要でした。
そこで長老たちは、
時間の川をさかのぼり、
はるか未来にいるエササニの評議会に
参加を呼びかけました。
未来の星エササニでは、透明な都市の上空に
さざなみのような光が広がっていました。
それがバシャールの集合意識の会議です。
「過去の宇宙から招待状が届いたようだ」
「地球という星でユニークな実験をしたいらしい」
「自由意志”と“ワクワク”を組み合わせた
新しいタイプの種族さ」
「もちろん参加しよう。
その種族の未来の姿が今の僕らかもしれないから」
こうして時間を越えた
共同プロジェクトが始まりました。
アヌンナキは地球に降り立ち、
土、水、火、風、の性質を読み解きました。
「この星のからだに宇宙の
いくつかの遺伝子を混ぜ合わせよう」
「恐れも、勇気も、優しさも、怒りも、
すべてを経験できるように」
エササニのバシャールは、
“未来からの約束”を設計図に書き込みました。
「いつか、君たちが星を見上げて、
胸の奥のワクワクに気づいたとき、
声なき声で道を案内しよう」
その約束は言葉ではなく、
とても小さな“感覚”として、人類の心に刻まれました。
「理由もなくこれをやってみたい」
「なぜかこの人に惹かれてしまう」
「不安だけどこの道を選びたい」
そんな衝動の中に、
バシャールのサインがそっと忍ばせてあるのです。
時は流れ、
アヌンナキは地球からいったん手を引きました。
人間が自分たちだけで学び、間違え、傷つき、
それでも、立ち上がる力を持てるように
するためです。
エササニの空では地球の未来の気配が、
ずっと観測されていました。
「もうすぐ彼らは“内なる宇宙”の存在に気づく」
地球に夜空を見上げ、宇宙船の夢を見る
子供達が生まれました。
やがて皆大人になり、光の存在バシャールと
つながるようになります。
過去にアヌンナキがまいた種。
未来のエササニから送られた風。
今ここに立つ人類の心。
その三つがひとつの点で重なった瞬間でした。
「やっと話せるね」
バシャールは、
地球の人々に呼びかけました。
「君たちはただの被害者でも、ただの創られた存在
でもない」
「アヌンナキの知恵、地球の生命、自分自身の選択で、
どんな物語にもなれる宇宙ファミリーなんだ」
人類はまだその意味のすべては理解できません。
けれど、胸の奥でささやきを感じる時があります。
「わたしはひとりじゃない。
どこかの星に同じ光を持つ仲間がいる」
それは遠い昔にアヌンナキの残した設計図と、
エササニが遠い未来から送り続けるメッセージが、
今ここのあなたの心の中でつながった合図
なのかもしれません。
おしまい。
