伝えられなかった言葉（終）
ちゅりーっす♪
夫だぁりんの
希少で、貴重で、大切な
お友だちの話…の最終話です。
先にこちらを読んでくださいね
実の兄のように慕い
尊敬していた友から
返事がないまま
何年も経ったある日。
電話が鳴りました。
知らない男性からでした。
その男性は
夫の名前を確認すると、
友の名前を告げ、
自分は彼の
パートナーだと名乗りました。
電話の男性は、
友と長年一緒にいる
ボーイフレンドでした。
彼の話からわかった
友が連絡を絶った理由。
それは病気でした。
エイズに罹っていたんです。
エイズ感染がわかった日から、
家族知人などあらゆる人たちとの
連絡を一切絶ち、関係を断ち、
パートナー男性と二人で
ひっそりと暮らしていたそうです。
が、まもなく発症してしまった友。
病院に入院してからも
一切、誰にも知らせず。
闘病を続けてきた友の命は
今、尽きようとしている…と
友の恋人は言いました。
ひとりで最期を看取り、
ひっそりと弔うつもりだ、とも。
夫が覚えているのは、これだけ。
突然のことに頭が真っ白で、
恋人が電話してくれた理由を
聞いたのか聞いてないのか、
何も思い出せないそうです。
だから、
憶測でしかありませんが、
誰とも接触を断っていた友は
自分の残り少ない時間を悟り、
人生唯一の同伴者である恋人に
”事実を伝えて欲しい人がいる”と、
夫の電話番号を託したのでしょう。
言葉では伝えられなかったけど、
夫の思いは友の心に届いていた…
私はそう信じています。
君がゲイかストレートか、
そんなの僕たちの関係には
何の問題にもならないよ。
僕は君を一人の人間として
尊敬していて大好きだから！
*～*～*～*～*～*～*～*～
この話を書いてたら、
涙が止まらなくて…
夫に気づかれたので、説明を。
友のことを書いてると知り
久しぶりに彼の話題になると、
夫は
それはもう、嬉しそうに、
懐かしそうに、愛しそうに、
彼の名を何度も呼び…
彼がどんなに素晴らしい人物か
誇らし気に私に話すんです。
そっかぁ…
二人は今も変わらず、
大大大好きな大親友なのね
私はまるで、
夫のすぐ横に彼がいて、
紹介してもらってるように感じました
終わり
*～*～*～*～*～
もう何年も前、
だぁりんがイギリス赴任中。
異国での入院＆手術、初体験
手術が始まると、
執刀医も驚く状態になっていて…
8年前の今日の記事です。
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