
「
もぉー、聞いてくださいよぉー。新しい部長は、数字が行かない行かないってぼやいてばかりいるクセに、私たちが忙しくしているその横で、yahoo知恵袋に投稿してたりするんですよぉー」「そうそう、それに課長は課長で上の顔色ばかりうかがって、自分でアイデア出さないし、かといって何かを指示するわけでもなければ決めてくれるわけでもない!もぉー最悪です!」「ポッキーさんの時はこんなことなかったのに。。。」ちょうど20~40の3世代揃った前部署の女子社員達が、口々に愚痴や不満を述べる。サラリーマンの街、新橋の夜にピッタリのネタだなと妙に納得し、さらには最後の一言に溜飲を下げながらほくそ笑む俺
。「オヌシは、相変わらず器が小っちゃいのぉー!修業が足りぬわ
」と一人胸の内で突っ込んでみる。まあ今日のところは彼女らのガス抜きをしてやればいいかと、完全に聞き役に回り、主役のへぎそば登場前に、これまたこの店のお奨めである「栃尾揚げ・鳥唐揚げ・もち豚ステーキ」なんかを取り分けていると
その様に恐縮しながらも40代の部下が「ポッキーさんの方はトラブル収まったんですか?」と話題をこちらに振ってきた。「そうねえ。引き続き現場での管理の徹底には注意していかなければならないけど、とりあえずは収束段階には来たかな。」と告げながら、夏休み前後に弟と交わした会話が頭をよぎる。、

甥っ子の入院生活が長引きそうだとなった時、弟は会社に長期休暇を申請する事を決意した。とにかく朝から晩まで息子のそばにいてやりたいんだと。その手続きを終えて病院に戻った帰りの夜、久しぶりに食事を共にした。申し訳程度の小さなグラスでささやかな乾杯をした後、思わず口をついて出たのは「所詮、仕事上のトラブルなんてものは、なんてこたぁねえなあー。何かしらの対策を講じれば、怒られようが何しようが、とりあえず前には進めるからな。」「まったくもって同感だね。俺も今日、引き継ぎ事項なんかで会社に行って、何人かの部下の報告・相談受けたけど、どれもこれも病気に比べれば大した事ないよ。その程度の事で、切羽詰まった顔してんじゃねーよって感じ。」
あれから数か月、甥っ子の闘病生活は今尚続く。
「お兄ちゃん、早く帰って来ないかなあ。。」
週末のマックでハッピーセットのオモチャを手にして満足気だった君が、突然そんな事をつぶやいた。そうだよな。お兄ちゃんといっしょに遊びたいよな。休日で満員のマックの店内を見回しながら、「平凡」だとか「普通」だとか「日常」だとかの尊さをふいに思い知る。
こどもの国で捕まえたカマキリに、死んだコオロギを餌として、顔の前でぶらぶらと揺らしてみた。カシッ!一瞬で獲物を鎌でとらえたかと思うと、次の瞬間には早くも捕食に入っている。「すっげぇー
」目をまん丸くして驚く君。パパとママを待つ部屋では、君が捕まえたコオロギ達の演奏が始まっている。「生きる」という事の力強さ、素晴らしさを虫たちに教えられた気がした秋の夜長である。






『レフトへー! もう一本ホームランは……行った行ったああああああァー! 